ビジュアルアーティスト・FRANKIE CIHI(フランキー・スィーヒ)講師特別講演会!「だるま」を使ったワークショップで創造性を引き出す【バンタンデザイン研究所】
「もともと、バンタンデザイン研究所でスタッフとして働いていたんですよ!今はアーティスト一本で仕事をしています」と、
とびきりの笑顔で挨拶するのはビジュアルアーティストFRANKIE CIHI(フランキー・スィーヒ)講師。
<PROFILE>
2010年に、ニューヨークの美大 School of Visual Artsを 卒業。作品は「和」を意識しているのが特徴。
壁画やライブペイントなどその表現方法は多岐に渡り、Starbucks、Instagram、Coca-Colaなど様々な企業とのコラボレーションも。
<WORKS>
「私の作品を紹介していきますね!これは、2018年にフロリダ・ウエストパームビーチで1か月かけて描いた壁画です。現地のスタッフはスパニッシュが多くて、
スペイン語で指示を出して描きました!スペイン語は高校で学んだレベルなので、カタコトだったけれどね。
これは、高崎市で制作した作品。新幹線からも、見えますよ!」
他に、フィリピン・セブ島ホテルや沖縄で描いた壁画を紹介。また、スペースシャワーTVの野外音楽イベント「Sweet Love Shower」、
音楽フェス「ULTRA JAPAN」、阪神タイガースの女性向けイベント「TORACO DAY」ではライブペインティングも披露しています。
「ライブペイントでは、制作過程を見せながら描きます。ペイントするときは、クライアントのアイデアと、自分のイメージが重なっているかを意識しますね。
また、高崎だるまを使ったアートにも取り組んでいます。知っていましたか?伝統的な日本のだるまの約80%は群馬県・高崎で作られているんですよ」
Google for startups 開会式では、式典用にだるまにペイント。Google最高経営責任者・サンダー・ピチャイ氏が、フランキー講師の「MYダルマ」に
目入れを行っています。
<THE KEY TO SUCCESS>
DREAMS VS GOALS
フランキー講師「みんな、将来に向けてやりたいことがたくさんあると思う。私はティーンエイジャーのとき、有名な画家になりたいと思っていました。
それを実現するために、今日どう動けばいいのかを考えていました。皆さん、夢とゴールはどう違うと思いますか?
目標は、努力すれば達成できるものであり、夢に近づくための通過点です。目標は1年~5年先の短期目標、10年~50年先の長期目標で考えてみましょう。
対して、夢はモチベーション。なので、現実的でなくてもいいんです!現実的じゃないほうが、いいアーティストになれると思う!
大人になると、何をしてもいいよね。そのときに、自分を見失わないためにも目標を定めておいて。自分の目標が分かっていれば、
『なんのために頑張っているんだろう?』というモヤモヤもないし、怖いものなしです」ちなみに、フランキー講師は小学3年生のときの作文に
「ファッションデザイナーやアーティストになりたい。やるなら20歳までにNYでやりたい!」と、具体的に目標を立てています。
SUCCESS = OPPORTUNITY + PREPARATION
「私は、opportunity=キッカケだと思っています。成功とは=キッカケ+準備だと思う。頑張っていても、運がないと成功には導かれないです。
では、成功には、どんなキッカケが必要?人との出会いかもしれないし、コンクールや運かもしれない。将来のキッカケのために、どのように備えられるのかを考えて。
せっかくのキッカケに出会えても準備できていなかったらもったいないです。
私は大学生のとき、ウェブサイトと名刺を作りました。学生だったけれど、気持ちはアーティストでした。アートギャラリーでインターンシップをして、プロのアーティストが
どんな作品集を作っているのか、研究していました」
「『テラスハウス』出演のオファーも、断ってもよかった。でも、フランキーは引き受けた。自ら動きながら、キッカケを増やしていったんじゃないかな?」と、
当時の彼女をよく知るバンタンデザイン研究所スタッフもコメント。
フランキー講師「そんな風に思ってもらえるなら、嬉しい!
アンディー・ウォーホールは『誰もが15分間なら有名人になれる。いずれそんな時代が来るだろう』という名言を残しています。
まさに、TikTokとかInstagramがそうだよね。自分を世の中に送り出して、アピールできる。みんなに与えられている15分間を、いかに増やせるか?
ぜひ準備して、備えてほしい!」
PROBLEM SOLVING IS THE KEY TO SUCCESS
「問題解決が成功への鍵です。そのためのデザインなんです。そもそも、なぜ作るのか?作った時点で問題が増えるのではなく、問題をなくすために
デザインをしています。いいデザインは、美しいだけでなく問題解決をしています。身の周りの環境で感じる悩みや問題を想い浮かべてみて。そして、
症状ではなく問題そのものを解決しよう!まずは自分の問題を解決しましょう。まとめると、いいデザインは問題そのものを解決しています」
ここからは、学生たちからの質疑応答!
Q 最初に壁にアートを描いたキッカケは?
「23とか24歳のときは、週2~3回のペースで2つのスクールで英語を教えながら、朝まで翻訳の仕事をしていました。何かしないとこのまま英語講師で
人生が終わっちゃう、何をしなければいけない?とずっと考えていました。無名のアーティストだったから、NYの大学院に戻らないといけないのかな?
とも考えました。でも、大学院は学費が高くて、2年で学費だけでも750万円かかる。なので、アルバイトを掛け持ちして、とりあえず1,000万円貯めようと
思っていました。当時、強く意識していたのは、『すべての選択は夢に向かっているのか?』ということ。
一つひとつの選択が、自分の為になっているのかどうかを考えました。例えば、友だちと2,000円のランチをするには、お金も時間もかかる。
この選択は、ちゃんと夢に向かっているかどうか?を、ストイックにジャッジしていきました。遊び癖がある悪いグループからは、自分をハズしました。
でも、結果的に人間関係を崩しちゃった(苦笑)なので、皆さんに同じことを強いるつもりはありません。
世の中にはこういう考え方があるんだなと思ってもらえればいい。人を大事にしたほうがいいし、一瞬一瞬を大事に生きていくのもいいと思う。
そうそう、壁画を描き始めたキッカケですが……当時、恵比寿にアーティストラボがあったんです。バイトが終わって、そこに通っていたら『壁を自由に塗っていい』
という時期があったので、描き始めた。ライブペイントも人の出会いで生まれたものです」
Q 初めてのお仕事は、どうやって依頼されましたか?
「英会話の先生をやっていたとき、知り合った人からお願いされたんです!英語の先生だったけれど、自己紹介では『I am an artist.』と伝えていました。
すると、生徒が『僕、実は飲料メーカーのマーケティングをやっているから、君の名前を推薦しておくよ』って言ってくれたんです。
誰がキッカケを持ってきてくれるか分からない。自分はこういう人間だと常に教えることが大切。情報がネットに無いともったいないから、常に発信してね!」
Q 自分を売り出すうえで、心がけていたことは?
「初めて会った人に、共通の人がいるかもしれないと思ったら、インスタを交換しましょうと声を掛けました。名刺は捨てちゃう人も多いので。とにかく、
相手と自分との共通点を見つけること。覚えてもらえるキッカケは、共通点だと思うから!」
<だるまに、自分を投影して。WORKSHOP>
ここからは、実践型ワークショップ。今回のキャンバスは、真っ白なだるまです。
「浅草のWIRED HOTEL ASAKUSAの装飾をしたんです。そこで、だるまを置いてみたらとても可愛くて。試しに、ギフトショップにもだるまを置いたら、
売れたの!そのときから、意識的にだるまに描くようになりました」
ルールはありません。自由に描いてOKです。創作のポイントは……「自分のやりたいことや、自分の魂を入れてみて。だるま=自分なんです。
なりたい自分でもいいし、達成したいゴールでもいい。自分は誰なのか、考えながら作ってみて」とアドバイス。
さすが、クリエイターの卵たち。みんな、無言で創作に没頭します……。独自のスプレーアートで彩色する学生、ブルー×ビビッドなピンクで線を
入れていく学生や、地元・静岡県の富士山をモチーフとして使う学生など、それぞれの世界観が際立っています。
「みんなの作品、面白いね!」と一人ひとりのアイデアを好意的に受け止めるフランキー講師。また、「僕は、スプレーアートをしています」と、
自分の作品をアピールする学生には「NYっぽいテイストだね。NYでは、グラフィティは車両に描かれたりするよ。一案だけれど、山手線の写真に
自分のグラフィティをプリントアウトしてみたら?」と、作品を昇華させるアドバイスもしていましたよ。
成功に必要なKEYを学べる、インタラクティブな講演会となりました。バンタンデザイン研究所に縁あるアーティストが生き生きと活躍する姿に、
学生たちも感化されたはず。
Instagram:@furpuff