絵本作家になるには?仕事内容や年収を解説
「いつか自分の絵本を出版したい」と夢を見ても、何から始めればいいのか、未経験から本当にプロになれるのかという現実的な不安がよぎるものです。
この記事では、絵本作家の仕事内容や年収を解説します。
絵本作家になるには?
ここでは、絵本作家になる方法をご紹介します。
専門学校・専門校で学ぶ
未経験から最短でプロに必要なスキルを修得し、業界のつながりを得るなら専門校が最適です。独学での創作は客観的な評価が得られず、作品の改善点を見失いがちになります。
専門の環境であれば、第一線で活躍する現役プロから直接、具体的なフィードバックを受けられます。絵本制作の基礎であるストーリーの組み立て方の習得はもちろん、現代の出版業界で必須のPhotoshopやIllustratorなどのデジタルツールの操作を体系的にマスターできる点も大きな強みです。
卒業制作や学内展示を通じて、出版社の編集者に直接作品をアピールできる機会も豊富に用意されています。
原稿を出版社に持ち込む
完成した原稿やラフを出版社の編集部へ直接持参し、見てもらう伝統的なルートです。多くの出版社が事前予約制や郵送受付を行っており、編集者の目に留まれば担当がつき、商業出版に向けたブラッシュアップが始まります。
ただし、このルートには厳しい現実も存在します。毎日膨大な原稿が届く編集部において、初心者の作品が最後まで読まれる確率は高くありません。「郵送したものの、返事すら来ないサイレント拒絶に心が折れた」という声も多く聞かれます。
審査を突破するには、単に綺麗な絵を描くだけでなく、編集者が一目で市場価値を確信できる企画書やラフの完成度が必須です。
絵本コンクール・コンテストに入賞する
明確な実績を残してデビューを飾りたいなら、公募展やコンクールへの応募が有力な選択肢です。講談社絵本新人賞やMOE創作絵本グランプリなど、国内外で多数の絵本賞が開催されています。大賞や最優秀賞を受賞すれば、賞金と共に商業出版が約束されるケースがほとんどです。
出版社のバックアップを得られるため、作家活動を有利にスタートできる点がメリットとなります。しかし、プロへの登竜門であるコンクールの倍率は時に数百倍から千倍を超える超激戦です。
入賞を勝ち取るには、自己満足の作品を脱し「子どもが何度も読みたくなる仕掛け」などプロ基準の構成戦略が求められます。
SNSでファンを獲得する
インターネットやスマートフォンの普及に伴い、現代において存在感を高めているのがSNS発のデビュールートです。InstagramやXなどのプラットフォームへ、制作したキャラクターや物語のラフを投稿し、セルフプロモーションを行います。
このルートの強みは、出版社を介さずダイレクトに一般読者の反応を得られる点です。ネット上で大きな話題を生み出すと、それを見た編集者から「書籍化しませんか」とダイレクトメッセージが届き、デビューへつながります。
ただし、注目を集め続けるには、定期的な投稿を維持する継続力に加え、画面越しで一瞬に目を引く作画センス、トレンドを捉えるマーケティング感覚が必要です。
絵本作家の仕事内容
ここでは、絵本作家の仕事内容について解説します。
構成案を作成する
絵本制作の最初にして最も重要なステップが、企画と構成案の作成です。ターゲットとなる子どもの年齢層を明確に定め、その層に響くテーマやコンセプトを決定します。
一般的な商業絵本は、見開き単位である24ページや32ページで構成されるのが出版業界の標準仕様です。そのため、どのページにどのような展開を配置するか、全体の割り振りを決めることが不可欠となります。
読者である子どもたちがワクワクしながらページをめくりたくなるよう、物語の構造をロジカルに計算し、絵本全体の骨組みを築きます。
全体ストーリーを作成する
構成案で決めたページごとの展開に合わせて、具体的な物語のテキストとプロットを作成します。絵本の文章は、小説とは異なり短い文字数で表現しなければなりません。説明過多な文章は子どもの集中力を途切れさせる原因になるため、言葉を削ぎ落とす技術が求められます。
絵で表現できる部分はあえて文章にせず、絵と文が互いに補い合う役割分担の黄金比率を意識することが重要です。
子どもの年齢に合わせた適切な言葉の選定、読み聞かせをする親が心地よく音読できるリズム感の配置など、細部まで言葉をコントロールします。文字数が少ないからこそ、一言に深い意味を持たせる高密度な工程です。
原画を作成する
ストーリーと構成の確定後、視覚的表現に命を吹き込む原画制作のフェーズへ移ります。まずは、全ページの構図やキャラクターの配置、文章スペースを大まかに描いた鉛筆書きのラフ(ネーム)を作成します。絵本全体の流れや視線誘導に違和感がないか確認を重ねます。
ラフが完成し、編集者との打ち合わせを経てOKが出たら、本番の着彩(清書)へ進行します。伝統的な水彩やアクリルなどの手描き手法を用いるほか、現代のプロの現場では作画の効率化や修正のしやすさを考慮し、デジタルツールで描画するケースが増えています。
ページをめくるたびに驚きを与える、クオリティの高い原画に仕上げる段階です。
校正・入稿・製本する
原画の完成後は、本として世に送り出すための最終仕上げと印刷データの作成を行います。デザイナーや編集者と協力し、原画の上にテキストを配置。文字のフォントや大きさ、色の出具合を細かくチェックする色校正を繰り返します。
現在の出版業界では、仕上がったデータを印刷所に渡すデジタル入稿が必須です。アナログ原画であっても高精細スキャナーでデジタルデータに変換し、PhotoshopやIllustratorを使用して、印刷に適したカラー設定や解像度の調整を厳密に行います。
入稿データに不備がないことを確認して校了となれば、印刷・製本を経て、全国の書店へ届く商業絵本が完成です。
絵本作家の年収目安
絵本作家の主な収入源は、本の売上部数に応じて支払われる印税です。出版業界の一般的な傾向として、新人作家の印税率は5%から10%程度、初版の発行部数は3,000部から5,000部ほどが目安とされています。
例えば、定価1,400円の絵本を初版3,000部発行し、印税率が10%とした場合、手元に入る初版印税は「1,400円 × 3,000部 × 10% = 42万円」です。
プロとして活動する絵本作家のなかには、イラストレーターやデザイナーなどを兼業するハイブリッドな働き方を選択している人もいます。自身のクリエイティブスキルを活かして複数の収入源を構築することが重要です。
バンタンデザイン研究所 デザイン・映像カレッジが選ばれる理由
ここでは、バンタンデザイン研究所 デザイン・映像カレッジが選ばれる理由をご紹介します。
少人数クラス制を採用している
大人数で行われる一方通行の講義形式とは異なり、講師と学生が近い距離で向き合える少人数クラス制を徹底しています。これにより、学生一人ひとりの作画レベルや習得度、描きたい作品のテイストに合わせた、きめ細やかな個別フィードバックが可能です。
授業を担当するのは、全員が業界の第一線で活躍している現役のプロフェッショナルです。商業出版に通用する基準をマンツーマンに近い環境で習得できます。
産学協同プロジェクトや現場実習を実施している
在学中から実際の企業やクリエイティブの現場と深く関わることができる、実践的なカリキュラムを展開しています。一般的な学校でよく見られる課題制作だけにとどまらず、企業から提示された実際のテーマに沿って作品を企画・制作する産学協同プロジェクトに挑戦できる点が大きな特徴です。
このプロジェクトを通じて、学生は「自分の描きたいもの」を描くだけの趣味の領域を脱し、「クライアントの要望や市場のニーズを満たすにはどうすべきか」という、商業クリエイターとして最も重要な視点を養うことができます。
在学中にプロデビューのチャンスがある
業界との圧倒的なネットワークと充実したデビューサポートにより、卒業を待たずに在学中からクリエイターとしてのキャリアをスタートできるチャンスが豊富です。
学内で行われる作品審査会や、多くの出版社・企業関係者が来場する展示イベントは、自分の作品をプロの目に直接留まらせる絶好の機会となります。
絵本作家に関するよくある質問
最後に、よくある質問にお答えします。
出版社への持ち込み時、原画はどこまで完成させて持っていくべきですか?
すべてのページを完璧に清書して色まで塗った原画を持っていく必要はありません。基本的には、絵本全体の流れや構成がわかる全ページの鉛筆書きラフと、自分の画力や色彩のタッチが明確に伝わる数ページの完成原画を組み合わせて持参するのがベストな作法です。
絵本のストーリーがどうしても作れません。絵だけの担当としてデビューできますか?
絵本のストーリーを自分で作ることが苦手であっても、作画専門の絵本作家としてデビューすることは十分に可能です。出版業界では、文章を担当するクリエイターと、絵を担当するクリエイターがタッグを組んで1冊の絵本を作り上げる分業スタイルが確立されており、実際に多くの名作がこの方法で生まれています。
完全な未経験ですが、社会人や主婦からでもプロを目指せますか?
絵本の世界は年齢や経歴、学歴などが一切関係のない、完全な実力主義の業界です。そのため、これまで全く異なる仕事をしてきた社会人や、子育て経験を活かして創作を始めたい主婦の方であっても、プロを目指すチャンスは平等に開かれています。