22.08.05 23.04.19 更新

映像カメラマンとは?仕事内容や必要な能力、なる方法について解説!

職業紹介

私たちが目にするテレビ番組や映画、CMなどは、映像カメラマン撮影した映像素材を使って制作されています。今回は、映像制作に欠かせない存在である映像カメラマンの仕事内容や求められるスキル・能力、キャリアパスや年収などを分かりやすく紹介しながら、やりがいや面白さ、就職先や活躍の場などにも焦点を当てて説明します 

映像カメラマンとは?

映像カメラマン_01

 映像カメラマンとは、様々な映像媒体で使われる素材をカメラで撮影する職業です。映像媒体には、主にテレビ番組や映画、CMなどがあり、映像カメラマンは監督やディレクターが思い描くイメージ通りの場面を確実に撮影しなければなりません。ドラマや映画の場合、どれだけ脚本や演出、出演者や舞台・風景などが素晴らしくても、その素材を撮影する映像カメラマンのスキルに問題があれば、作品の完成度に大きな影響を与えてしまいます。それほど、映像媒体の制作における映像カメラマンは重要な役割を担うポジションにありますまた、映像カメラマンは、テレビカメラマンやムービーカメラマンなど、映像媒体によっても呼称が異なります。

 

映像カメラマンの仕事内容

監督やディレクターの指示に従い、映像媒体の素材となる動画を撮影することが映像カメラマンの仕事です。ここからは、映像カメラマンが活躍する主な仕事内容をご紹介します。

 

スタジオ収録番組

映像カメラマンの代表的な仕事といえば、テレビ番組のスタジオ収録現場です。テレビ局内スタジオで組まれたセットで収録する報道番組や情報番組、バラエティ番組や音楽番組などの撮影を担当します。番組の種類や規模にもよりますが、出演者やセットなどを様々なアングルから撮影する必要があるため、一番組につき、数人から十数人以上の映像カメラマンが収録に携わることが一般的です。

 

中継・屋外ロケ番組

テレビ番組の中継や屋外ロケも、映像カメラマンの代表的な仕事に挙げられます。中継とは、テレビ局以外の現場から直接放送するスタイルです。報道番組・スポーツ番組・音楽番組などで放送される事件や事故の現場、選手の表情や活躍、ミュージシャンの演奏やパフォーマンスなど、臨場感あふれるリアルタイムの映像を撮影します。スタジオ収録と異なり、撮影の中断や撮り直しができないことから、一瞬のミスも許されない仕事です。また、旅番組や取材風景などを撮影する屋外ロケでは、旅先や取材先の魅力を余すことなくカメラに収めるため、撮影現場での臨機応変な判断力が求められます。

 

映画・ドラマ

映画やドラマの撮影も、映像カメラマンが活躍する制作現場です。作品を統括している監督やディレクター、脚本家などが構想する物語を映像化するため、数多くのシーンを撮影することが仕事になります。映画やドラマの上映・放送時間によっても異なるのですが、ワンシーンにつき、短いもので30秒~1分半ほど、長いもので3分~5分ほどが一般的な撮影時間です。映画の場合、その全シーン数は100~200ともいわれるため、映像カメラマンには、様々なシーンに対応できる高度な撮影技術や知識が求められます。また、監督やディレクター、脚本家や出演者などの要求や意図を汲み取る理解力も不可欠です。

 

CM・PV・MV

映像カメラマンは、CM(コマーシャル)やPV(プロモーションビデオ)、MV(ミュージックビデオ)などの撮影も行います。CMやPVなどは、テレビ番組・映画・ドラマと違い、ひとつのコンテンツが15秒~数分と比較的短時間で制作される点が特徴であり、限られたわずかな時間の中で映像カメラマンの技術や知識を発揮しなければならない仕事です。最新の機材を使うことが多い撮影現場のため、映像カメラマンにもそれらの技術に適応できるスキルや、制作クリエイターたちと意思疎通を図るセンスが求められます。

 

インターネット配信番組

近年では、インターネットを利用した動画配信が飛躍的に増加しており、その制作現場も映像カメラマンが活躍しています。インターネット配信番組は、小数のスタッフで制作することが多いため、撮影に関する業務を映像カメラマンが1人で担うケースも珍しくありません。また、配信番組の撮影には、室内やスタジオ、屋外ロケや生配信など、数多くの現場やスタイルがあることから、シチュエーション別に対応できる撮影技術と知識、判断力が必要とされます。

 

映像カメラマンのキャリアパス

映像カメラマンの代表的なキャリアパスとしてテレビ局や番組制作会社の撮影監督やチーフ、映画・ドラマ監督や映像映画ディレクターなどが挙げられます。また、フリーランスへの転身や、映像・動画制作会社を設立したり、映像以外の業界へ転職するケースもあります。たとえば、広告や書籍、雑誌など、紙媒体の静止画を撮影するカメラマンなどは、映像媒体の撮影で培った技術や知識を有効活用できる職業といえるでしょう。

 

映像カメラマンの年収

映像カメラマンの年収は、勤務先や雇用形態など、働き方によって大きく異なります。そのため、平均年収を割り出すことは容易ではありません。あくまでも目安の相場になりますが、全国放送のテレビ局で正規雇用として勤務する場合、600万円~800万円ほどが年収といわれています。地方のテレビ局で、正規雇用として勤務する場合は500万円~600万円ほどです。また、番組制作会社に勤務する映像カメラマンは、正規雇用で年収400万円~500万円が相場となっています。フリーランスや独立起業している映像カメラマンの場合、実績やスキル、案件の内容などに単価が影響されるため、映像1本の撮影に対し、数万円~100万円以上と大きな幅があるようです。

 

映像カメラマンになる方法

映像カメラマンになる場合、撮影に関する技術や知識の習得が必須です。映像カメラマンが活躍する仕事場は、テレビ局や番組制作会社などであり、各企業へ就職するためには、映像関連のスキルを身につけられる専門学校へ通うことが一般的な方法となります。映像に特化した学校ならば、撮影に関する技術や知識とともに、映像制作における工程や必要機材、映像編集なども効率的に学べるため、就職後すぐに即戦力になることも可能です。また、テレビ局や番組制作会社にアルバイトやアシスタントとして採用してもらい、実際の制作現場で技術や知識を体得し、映像カメラマンを目指す方法もあります。

 

映像カメラマンに求められるスキル・能力

映像カメラマン_02

様々な制作現場で映像媒体の素材を撮影する映像カメラマンには、撮影技術や知識などの高い専門的スキルが必要です。ここでは、映像カメラマンに求められるスキルや能力を紹介します。

 

撮影技術や機材の知識

映像カメラマンとして何よりも求められるスキルが撮影技術です。映画やドラマ、テレビ番組などの制作に使う映像素材を監督やディレクターの指示通り、確実に撮影していくため、カメラの基礎的な操作方法はもちろんのこと、いかなる状況にも対応できる応用技術求められます。また、撮影を担当する以上、自分が取り扱うカメラや関連機材の知識習得も必須です。さらに、制作現場で使われる舞台用語や撮影用語などの業界用語を覚え、映像媒体の収録を円滑に進められる適応性も欠かせません。

 

臨機応変な判断力

映像媒体の制作現場では、想定外の出来事がつきものです。撮影日程や時間、脚本や演出などの急な変更をはじめ、予期せぬ悪天候や騒音、発注ミスや機材トラブルなどが挙げられます。一方、出演者の素晴らしいアドリブや、奇跡的な場面に遭遇したり、想像以上の画角を見つけるなど、思いがけない映像が撮れることもあります。このような、制作現場で起こりうる状況に対応できる臨機応変な判断力も、映像カメラマンに求められるスキルといえるでしょう。

 

芸術的センス

映像カメラマンに芸術的センス求められます。制作活動に必要な創作意欲や美的感覚、インスピレーションがなければ、監督やディレクターが表現したい作品の構想や意図を理解できず、出演者や風景といった被写体の魅力を最大限に引き出せないからです。芸術的センスに富んだカメラマンならば、視聴者に伝えたい重要な場面を瞬時に思い描けるため、最高のカメラアングル、ズームのスピードやポイント、光のバランスなどをアジャストすることができます。

 

体力と集中力

映画やドラマ、バラエティ番組などの収録は、長時間に及ぶこと多い現場です。映像媒体に必要な場面次第では、深夜や早朝、猛暑や極寒など、悪条件での撮影を余儀なくされ、野外ロケでは、重量のあるカメラを終始抱えて撮影業務を担います。このため、映像カメラマンにとっての基礎体力は、絶対に欠かせない能力です。また、カメラを回している最中は、映像素材となる決定的な瞬間や一瞬の表情などを見逃さない集中力も求められます。

 

コミュニケーション能力

映像媒体の制作現場では、監督やディレクターをはじめ、脚本家や演出家、出演者やスタイリスト、大道具や小道具など、様々なスタッフが集います。そのため、映像カメラマンも数多くの人たちと対話し、思いや意図を汲み取り、撮影に反映させるコミュニケーション能力が必要です。また、映画やドラマ、スポーツや音楽など、撮影対象に関する知識の習得も、他スタッフと触れ合うきっかけ作りや、多種多様の映像制作の知識や技術を深めるうえで求められる能力となります。

 

映像カメラマンのやりがい・面白さ

映像カメラマンになれば、映像媒体の制作に不可欠な素材を撮影するという重責を担うからこそ、味わえる達成感があります。ここからは、映像カメラマンの仕事におけるやりがい・面白さを見ていきましょう。

 

奇跡的偶発的な瞬間を撮影できる

映像媒体の制作現場で起こりうる奇跡的偶発的な瞬間を撮影できる点が、映像カメラマンの面白さとして挙げられます。たとえば、映画やドラマの撮影時、出演者の才能をレンズ越しに感じられる瞬間、スポーツ中継時の奇跡的な逆転劇をカメラに収める瞬間などです。制作現場の予期しないハプニングを実経験できる感動が、映像カメラマンの大きな魅力といえるでしょう。

 

映像で番組の意図を表現できる

映画やドラマ、テレビ番組などの映像媒体では、ナレーションや台詞、字幕やBGMなどが視聴者の印象を大きく左右します。しかし、出演者の魅力的な表情、湯気立つ美味しそうな料理、圧倒的な大自然の風景など、言葉・文字・BGM以上に、映像が番組のメッセージをダイレクトに伝えることも珍しくありません。このように、映像カメラマンになれば、自分が撮影した映像で番組の意図を表現することが可能であり、それがやりがいにつながるのです。

 

撮影した映像が放送される

映像カメラマンが撮影した映像は、映画やドラマ、テレビ番組などの素材となり、コンテンツ次第では、日本国内に留まらず、世界中で放送・上映・配信されます。これは、映像カメラマンにとって何よりのやりがいであり、喜びといえるでしょう。また、映像媒体には、番組制作に関わったスタッフの名前がスタッフロールとして流れることも多いため「カメラマン〇〇」と自分の名前を記録してもらうことができます。

 

映像カメラマンの就職先・活躍の場

実際に、映像カメラマンを目指す際、どのような仕事場で働くことになるのでしょうか?ここからは、映像カメラマンのな就職先や活躍の場をご紹介します。

 

テレビ局

映像カメラマンが勤務する職場として、最初に挙げられる就職先がテレビ局です。テレビは、最も身近な映像媒体のひとつであり、キー局と呼ばれる全国ネットのテレビ局に専属の映像カメラマンとして就職できれば、安定した年収や待遇を得ることができます。ただし、テレビ局への就職は、四年制大学卒業以上の学歴、専門的技術や知識、経験やセンスなどが求められる狭き門です。また、テレビ局では、様々な職種があるため、必ずしも希望する映像カメラマンになれるとは限りません。

 

番組制作会社

テレビ局から依頼を受け、テレビで放送するための番組制作を事業とする番組制作会社も、映像カメラマンの代表的な就職先です。テレビ局と比較した場合、学歴を問わない企業が多く、就職しやすい点が大きなポイントです。番組制作会社が映像カメラマンに求めるものは、撮影技術や知識などのスキルやセンス、そして番組制作に対する情熱です。企業ごとに制作する番組の種類や特徴、強みが異なるため、どのような番組を作っているのか、事前に調べておくことをおすすめします。

 

フリーランス

企業に所属しないフリーランスとして、活躍の場を求める映像カメラマンもいます。フリーランスの場合、テレビ局や番組制作会社で映像カメラマンとしての実績を積み、退社後に独立・起業するケースが大半です。フリーランスになれば、自分で仕事量を調整できる、自分の好きな番組制作に関わるチャンスを作れる、大幅な収入アップの可能性などのメリットが挙げられます。その半面、常に営業努力が必要であり、低単価の依頼を受けざるを得なかったり、仕事の依頼が来ないといったデメリットも考えられるでしょう。

 

映像カメラマンの求人例

映像カメラマンの募集元は、にテレビ局や番組制作会社などです。募集内容は、求人を募る企業の規模や形態、欲しい人材などによって異なりますが、一般的に「カメラマン業務全般」「専属カメラマン」「カメラマンアシスタント」などです。主な応募条件としては、中途採用の場合は映像撮影や映像編集などの実務経験、新卒採用の場合は映像撮影に関する基礎技術や知識の習得などです。また、自社で映像制作を手がける広告会社などが、映像カメラマンを募る求人例もあります。

 

映像カメラマンを目指すなら専門学校で学ぶのがおすすめ

映像カメラマンの仕事には、高度な撮影技術、カメラや関連機材などの専門知識、業界用語の習得などが欠かせません。映像カメラマンを目指すため、このようなスキルを効率的に身につけたいならば、専門学校をおすすめします。映像や写真、デザインなどに特化した実践スタイルの専門学校では、個人のレベルにあわせて、必要な基礎技術や高度な知識を学ぶことが可能です。また、現役クリエイターを講師に迎えている学校も多いため、早く確実にスキルアップできます。さらに、同じ夢や目標を持った仲間が集まることから、さまざまな場面で励みになる点も専門学校で学ぶ大きな魅力です。

 

各シーンを確実に撮影することが映像カメラマンの責務です

映像カメラマンとは、映像媒体に使用するさまざまな素材を撮影する職業です。そのため、映像技術や専門的知識、フレキシブルな判断力、コミュニケーション能力などが必要不可欠となります。そして、クリエイティブな職業である以上、芸術的なセンス求められる場面もありますが、それ以上に経験や実績重視される仕事です。本格的に映像カメラマンを目指す場合、専門学校で必要なスキルを習得し、映像カメラマンとしてのキャリアを積むための実践的な下準備を進めておくことをおすすめします。

 映像カメラマンを目指すなら、バンタンデザイン研究所にある以下のコースがおすすめです。どのような映像カメラマンを目指したいのか、自分のなりたい将来像を考慮し、最適なコースを選んでください。

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