22.09.20 23.04.19 更新

サウンドクリエイターになるには?仕事内容や年収、必要なスキルを解説

職業紹介

映画やドラマ、ゲーム、アニメなどに楽曲提供をおこなうサウンドクリエイターを目指すには、

どのような方法があるのでしょうか?今回の記事では、サウンドクリエイターの仕事内容や必要な知識・スキルについて紹介します。

また、キャリアステップと年収、向いている人の特徴なども解説します。

サウンドクリエイターとは

サウンドクリエイター_01.jpg

サウンドクリエイターとは、ゲーム音楽やアニメ、映画などのサウンドを作る仕事です。

特別な資格は必要ありませんが、作曲能力をはじめ、パソコンで音楽や楽曲を作るDTM(Desktop Music:デスクトップミュージック)ソフトを使いこなすスキルが求められます。そのため、専門学校などで知識や技術を学んだのち、制作会社へ就職してサウンドクリエイターを目指すのが一般的です。

サウンドクリエイターの主な仕事内容とは

サウンドの制作・作曲

サウンドクリエイターの主な仕事は、様々なコンテンツに使われるサウンド(音)を作ることです。

具体的には、映画やドラマ、CMやMV(ミュージックビデオ)、ゲームやアニメなどで流れるBGMや効果音の制作(作曲・音源採集・編集など)を担当します。

サウンドのクオリティは、コンテンツの視聴やゲームをプレイする人のイメージに大きな影響を与えることから、

重責を担うポジションです。コンテンツによって異なりますが、ゲームを例に挙げた場合、制作するサウンドの数が100種類を超えるケースも珍しくありません。

サウンド制作は、クライアントやプロデューサーなどとの入念な打ち合わせからスタートします。

コンテンツに最適なサウンドを作り上げるため、企画の規模や内容、目的やターゲット層、サウンドのイメージや数、種類などの要望を余すことなくヒアリングし、制作するサウンドの方向性を明確にします。

サウンドの方向性が決まったら音源の採取に着手します。

リアルなサウンドを追及するため、靴音や騒音、波音や雨音、動物の鳴き声や車のエンジン音など、違和感のない音を集めることがポイントです。

採集した音源を基に理想的な効果音やBGMができたら、それらをデータ化します。

これはプログラミングと呼ばれる工程であり、制作したサウンドをコンテンツで使用するために欠かせない重要な作業です。

また、サウンドクリエーターの仕事の醍醐味として挙げられるのが、パソコンやその他デジタルツールを活用した打ち込みでの作曲でしょう。

サウンドそのものを作成することはもちろん、さまざまなソフトやアプリを駆使して作曲を行うのも、サウンドクリエーターの大事な業務です。

ミックス

サウンドのミックスも、サウンドクリエイターが担う重要な仕事のひとつです。ミックスとは、録音された音源(トラック)の音量バランスや音色などを調整する作業のことで、「ミキシング」「ミックスダウン」「トラックダウン」とも呼ばれます。

楽曲は、ボーカルやギター、ベースやドラムなど、さまざまなトラックで構成されていますが、それぞれのトラックは別々に録音されているケースが一般的です。複数のトラックをひとつの楽曲として組み合わせ、バランスの調整をおこなう工程がミックスです。ミックスは、パソコンで「DAW」と呼ばれるミックス専用ソフトを使用します。

作業の流れとしては、最初に各トラックの音量調整、次に各トラックの音色調整、最後に各トラックのバランス・定位調整という手順を踏みます。

楽曲の魅力を最大限に引き出すため、綿密で繊細な作業が要求されます。 

音響コントロール

音響コントロールとは、コンテンツの中で使われるサウンドの響きを細かく調整する作業です。

例えば、BGM・効果音・台詞など、数多くのサウンドが同時に重なるゲームの場合、

音楽や音声、音量が劇中の場面にそぐわなければ、プレイヤーにとって耳障りな雑音にしかなりません。

ゲームの魅力や面白味を十分に引き出し、プレイヤーに高揚感をもたらす劇的な展開を演出するためにも、

それぞれのサウンドがお互いを打ち消し合わないように、音響のバランスをコントロールする必要があります。

主な音響テクニックには、同じ音を違う定位で再生し、タイミングをズラすことで2ヵ所から音が聞こえる「ダブリング効果」や、

複数の場所から同じ音が聴こえる場合、先に聴こえた方に音源があると認識する「ハース効果」などがあります。

また、複数の音の中から必要な音だけをしっかりと聞き取れるようにする「カクテルパーティー効果」も、音響コントロール作業に使われる代表的なテクニックです。

コンテンツを視聴・プレイするユーザーの気分を盛り上げるため、音響知識や技術を駆使しながら全体的な音響を細部に至るまで調整し、

作品の進行に違和感を与えないようにすることも、サウンドクリエイターの仕事になります。

サウンドクリエイターのキャリアステップと年収

サウンドクリエイターとして働く場合、どの程度の年収になるのでしょうか?

サウンドクリエイターの年収相場は500万円ほどといわれています。

ただし、正社員・契約社員・アルバイト・フリーランスなど、所属する企業の規模や雇用形態、働き方によって大きく異なります。

一般的に、正社員であれば400~600万円、契約社員であれば300~400万円、アルバイトであれば180~230万円が相場のようです。

また、フリーランスは、知名度や力量の影響を受けやすいため、年収が200~700万円以上と大きな格差が現れます。人気の高いサウンドクリエイターになれば、年収1,000万円を超えるケースも珍しくありません。

この点を踏まえ、サウンドクリエイターの平均的なキャリアステップを見た場合、入社後3~5年目で実務をひとりで担当し、力量次第で現場のチーフを任せられるようになります。

入社後6~10年目になれば現場のマネージャーに就任し、プロジェクトチームの管理を担う立場となるでしょう。

そして入社11年目以降は、プロジェクトの総責任者であるプロデューサーや、企業の経営や運営に携わる重役ポストへの着任も視野に入るでしょう。

実績を積んで知名度が上がれば、フリーランスとして独立・起業することも可能です。

サウンドクリエイターに必要な知識・スキルとは?

サウンドクリエイター_02.jpg 

サウンドクリエイターに必要な知識

サウンドクリエイターは音に携わる仕事なので、楽譜に対する知識が必須です。楽譜の知識を身につける方法としては、市販の参考書で独学する、専門学校に通ってプロの授業を受けるなどが挙げられます。

また、楽器に関するノウハウもサウンドクリエイターに欠かせない知識のひとつです。

楽器の種類や音、演奏法を把握しておけば、コンテンツとマッチングする魅力的なサウンドを創造できるようになります。

さらに、音楽そのものの知識もサウンドクリエイターに必要なスペックとなります。

音楽のジャンルは、クラシック、JAZZ、ロック、ポップ、民謡など、実に多彩です。

それぞれの誕生秘話や歴史、有名アーティストの功績や業界の動向などの知識を身につけることで、

サウンド制作に対する見識が深まり、サウンドクリエイターとしての価値を高めてくれます。 

サウンドクリエイターに必要なスキル

サウンドクリエイターとして活躍する場合、最も求められるスキルが作曲の能力です。作曲とは、楽曲や音楽作品を制作することを指します。

一般的には、サウンドのメロディーやコード作りと解釈しても問題ありません。

クオリティの高いメロディーやコードを作るためには、拍子・拍・音名・スケール・キー・テンポなどの基礎音楽、

和音楽器、和声法といった知識や、メロディーやコードの良し悪しを判断するセンスが求められます。

作曲のスキルは、独学・音楽教室・専門学校などで磨くことができます。

作曲の能力と並んでサウンドクリエイターに求められるスキルが、コンピューター上で音楽制作をする技術です。

これは「DTM(Desk Top Music)」と呼ばれる作業であり、机の上で音楽を作るという意味です。

DTMに適した代表的なソフトには、作曲やマスタリング、サウンド調整をおこなう「Pro Tools」や「Cubase Pro」、

「Logic Pro」などの「DAW(Digital Audio Workstation)」があります。

また、コンピューターや電子機器などのメーカー・機種を問わず、サウンドの演奏情報を効率よく伝達するための統一規格「MIDI(Musical Instruments Digital Interface)」を扱えるスキルも持ち合わせておくべきです。

さらに、映像に音楽・効果音・台詞などを追加したり、不要な雑音を消去できる「MA(Multi Audio)」と呼ばれるスキルを身につけることをおすすめします。

サウンドクリエイターに必要な資格とは

サウンドクリエイターに求められるものは、コンテンツに適した音を作り上げる豊富な知識と高度な技術、そして卓越したセンスです。

そのため、特別な資格を取得する必要はありません。

ただし「音の専門家」としての知識や技術を証明できる資格が存在することから、それらを取得しておけば、社内でのキャリアステップをはじめ、

就職や転職などの際に、自分のスキルをアピールしやすくなるかもしれません。

しかし、資格よりも、経験と実績を積むことが何より重要です。資格の取得を検討する前に、まずはそれらを最優先で考えましょう。

経験や実績を積み重ねたのち、自分の技術や実力がどの程度のものなのかをチェックするために、これから紹介する資格にチャレンジしてみるのもいいでしょう。

 

代表的な資格として「映像音響処理技術者資格認定試験」が挙げられます。これは、映画やテレビ、CMなど、映像・音響関連業界に関わる場合、

最低限必要とされる基礎知識や技術の熟練度を認定する試験です。

同様に、音響の理論や著作権、録音の流れなどに関する知識を証明できる「サウンドレコーディング技術認定試験」もあります。

また、DTMの実践的なスキルを証明できる「MIDI検定」も知られています。

この資格は、コンピューターを使って音楽の制作・編集などをおこなう際に必要な知識や技術を測る試験であり、

MIDIの理解度や活用レベルを認定するものです。実力に応じて4級から1級までの階級があります。

さらに、DTMに欠かせない音楽制作ソフトDAWの中でも、標準機となっている「Pro Tools」の操作スキルを証明する「Pro Tools技術認定試験」もあります。

サウンドクリエイターに向いている人とは

ここからは、サウンドクリエイターに向いている人の特徴を紹介します。 

楽器の演奏や作曲が好き

ギターやピアノ、ドラムやベースなどの楽器の演奏が好きな人は、サウンドクリエイターとしての適正を持っているタイプです。

楽器の演奏には、楽譜を読む知識や音を奏でる技術が必要であり、そのスキルがサウンドクリエイターの基礎になるからです。

また、作曲が得意な人も、メロディーやコードを理解したうえで本能的に音をイメージできるスキルを持っているため、

サウンドクリエイターに向いているといえるでしょう。 

エンタメコンテンツが好き

サウンドクリエイターが楽曲を提供するコンテンツは、主に映画やドラマ、CMやMV、ゲームやアニメなどが挙げられます。

日頃からこのようなエンタメコンテンツを好んで視聴・プレイする人は、それぞれの分野にも造詣が深いことから、サウンドクリエイターに適したタイプといえるでしょう。 

デジタルツールを操作できる

デジタルツールに抵抗がない人や、それらを普段から扱っている人も、サウンドクリエイターの特性を持っているといえるでしょう。

DTMの作業が中心となるサウンドクリエイターにとって、コンピューターや音楽制作の専門端末機器、DAWといったデジタルソフトの操作は必須です。

職業柄、最新のIT技術を導入することも珍しくないため、デジタルツールの操作が得意な人はサウンドクリエイターに向いているでしょう。 

想像力や独創性を持っている

サウンドクリエイターは、新たな音を産み出す職業です。ゼロからの創作を進行させるためには、想像力や独創性などのクリエイティブな能力やセンスが必要不可欠です。また、魅力的な作品作りに情熱をそそぐこと、常に探求心を忘れないこと、時代の流れを敏感に察知することなどの特性を兼ね備えた人も、

サウンドクリエイターとして成功する可能性を秘めています。 

コミュニケーション能力がある

企画会議やミーティング、音楽制作の現場などでは、数多くの要望や意見、提案が飛び交います。

コンテンツの完成を目指し、多くの人と仕事をするために欠かせないスキルがコミュニケーション能力です。

相手の要望や意見を聞き取る力や理解力と、自分のプランを発信する提案力のバランスを上手に保てるタイプは、サウンドクリエイターに向いています。 

サウンドクリエイターになるには

音の制作に携わるサウンドクリエイターを目指す場合、大きく2種類の選択肢があります。

具体的には、どのような手順を踏むべきなのでしょうか?ここでは、サウンドクリエイターになるための代表的な方法をご紹介します。

専門学校に通う

サウンドクリエイターには、作曲やアレンジなど楽曲制作に関する基礎的な音楽知識と、音楽制作ソフトや専用機器を操作する能力が必須です。このようなスキルを効率的に身につけるためには、専門学校に通うとよいでしょう。音楽に特化した実践スタイルの専門学校では、個人のレベルにあわせて、必要な基礎技術や高度な知識を学ぶことが可能です。また、現役クリエイターを講師に迎えている、貴重な専門学校もあるため、そこに通うことで早く確実にスキルアップできます。さらに、同じ夢や目標を持った仲間が集まることから、さまざまな場面で励みになるところも、専門学校で学ぶ大きな魅力といえるでしょう。 

サウンドクリエイターとして就職する

サウンドクリエイターを募集している企業への就職も代表的な方法です。主な就職先は、ゲーム会社やサウンド制作会社、映像コンテンツ制作会社などです。実務未経験の新卒採用や、過去に経験のある中途採用など、企業の募集条件と自分の経験値を照らし合わせ、就職先を探すようにしてください。

サウンドクリエイターとして採用されるためには、音楽理論の試験やデモ音源の審査をクリアする必要があります。新卒採用の場合、専門学校在学中にできるだけ音楽の勉強やサウンド制作の実践などを重ねておくことが大切です。

サウンドクリエイターを目指すのなら専門学校でスキルを習得するべき

サウンドクリエイターは、主にコンテンツのBGMや効果音などの制作を担う職業となります。提供する作品の品質がコンテンツの評価にも大きく影響するため、やりがいを感じられるクリエイティブな仕事です。本格的にサウンドクリエイターを目指す場合、音楽センスはもちろん、作曲のノウハウや音楽制作ソフトの経験や実績を求められます。音楽や映像に特化した専門学校で必要なスキルを効率的に習得し、着実にサウンドクリエイターの道を歩んでいくとよいでしょう。

サウンドクリエイターを目指すならこのコース

 サウンドクリエイターを目指すなら、バンタンデザイン研究所の以下のコースがおすすめです。

どのようなサウンドクリエイターを目指したいのか、自分のなりたい将来像を考慮し、最適なコースを選ぶようにしましょう。

 

・WSトラックメイカー&プロデュース専攻【2年制週3日】

https://www.vantan.com/faculty/design/mv-13/index.php

・WSサウンドクリエイターコース【1年制週3日】

https://www.vantan.com/faculty/design/mv-06/index.php

シェアする