Onitsuka Tiger&フォトグラファーHIRO KIMURA氏によるオリエンテーション実施。世界的ブランドに作品を提案できる、プロジェクト概要とは?【バンタンデザイン研究所】
世界的ブランドに作品を提案できる、
プロジェクト概要とは?
「贅沢で、すごいことが始まるんだなという気がしますよね?Onitsuka Tigerは世界的なブランドです。プロジェクトにご協力いただけることは、まずあり得ない。このチャンスを成就させ、世界に向けて発信してください」と、熱いメッセージを伝えるフォトグラファー・ムービーディレクターHIRO KIMURA講師。
バンタンデザイン研究所では、業界で通用する実践的技術を身に着けるため、企業様と行う「産学協同プロジェクト」に力を入れています。今回、会場に集まったのはフォトグラフィー、ムービー、スタイリスト、ヘアメイクを専攻する4学部のメンバー。
「セッションワーク」では、学部横断で12組のチームを編成し、Onitsuka Tiger様にクリエイティブ作品を提案します。オリエンテーションでは、アドバイザーを務めるHIRO KIMURA講師が基調講演を行いました。スタッフがインタビュアーとなりバンタンデザイン研究所OBであり、世界的に活躍するHIRO KIMURA講師のクリエイティブの源泉に迫ります。
――― 会社を立ち上げられたと聞いています。
「イニシアティブを握り、作品をマーケットにのせ、お客さんに届けたいという強い想いがあったからです。昨今、デジタルメディアでのムービー需要が高まっています。ファッションムービーは、バジェットの大きいTVCMと、MVの間に位置すると考えています。ファッションムービーはブランドロゴを見せるなどレギュレーションが非常に厳しい。ルールを遵守しながら、エッジのきいた映像を撮影できるクリエイターが少ないと考え、ワンストップでファッションムービーを手掛ける会社を作りました」
――― イチローさんや矢沢永吉さんなど錚々たる方々を撮影されています。
撮影時間は、10分など非常に短いと聞きますが……
「さまざまなクリエイターとお仕事をされている人たちなので、こちらに迷いがあると伝わっていくし信頼されません。まずは自信を持って。準備、集中力が大切で、それがあって本番にいく。それは我々のセッションにも求められます」
――― クリスティアーノ・ロナウドと対峙しても、緊張しないのでしょうか。
「場数を踏んでいくことです。あとは、普段の自分の在り方、クリエイティブの向き合い方が問われます。質の高さをきちんとレイヤーしていれば、本番であがらずに結果を出していくことができます。上辺だけでは、高いステージに上がっても通用しません」
――― セッションワークは戦いに近い?
「等しいと思います。切磋琢磨できるチャンスでもあります。また別のジャンルと向き合う数少ないチャンス。我々、表現する仕事なので前に出ないと。クリエイティブというのは自分を表現することです。ここで食っていかないといけない訳です。ここで、どう結果を出せるのかが非常に重要だと思います」
最後に……
「皆さん、好きなことをやって、生きていく訳じゃないですか?それを目指して、飛び込んできたわけですよね。それでお給料をいただく、こんな夢みたいなことはないわけです。本当に厳しいですよ。みんながやりたいですから、壁は厚いし倍率は高いです」と強調します。「ここまで環境を整えてくれるスクールは他にはありません。一人ひとりが手を差し伸べて、尊重して受け入れて、前に進んでください。クリエイティブでぶつかり合うだけでなく、精神的な学びもあるといいです。プロの世界でも、温度差がある場合はあります。お互いに受け入れて進んでいくのは非常に重要です。セッション、楽しみにしています」と激励しました。
後半は、オニツカタイガーカンパニーよりプロダクト グローバルヘッド 村岡 秀俊様、フットウェアMD・プランニング グローバルヘッド 鈴木 翔様、アパレル・アクセサリー グローバルヘッド 西山 久美子様をお招きし、Onitsuka Tigerというブランドについて、うかがいます。
<FASHION SHOW 2022SS>
冒頭では、SPRING SUMMER 2022 COLLECTION
(https://www.youtube.com/watch?v=f6vJKCciWgM)を紹介し「2022 SSは、映像でファッションショーを行いました。フィジカルショーが開催できないことを逆手に取り、『ミラノからモデルを東京に連れてきた』というコンセプトにしました。毎シーズンごとに、クリエイティブディレクターと一緒にテーマを設けています」と、村岡様。
<BRAND HISTORY>
「1949年に、鬼塚喜八郎が『鬼塚株式会社』を設立。創業者が『もし神に祈るならば、健全な身体に健全な精神があれかしと祈るべきだ』という言葉に感銘を受け、スポーツによる青少年の育成を目的とし、本格的にスポーツシューズを作り始めました。1977年に鬼塚株式会社など3社が合併し株式会社アシックスが誕生。オニツカタイガーは一度歴史を締めくくることとなります。2002年に、アシックスが持つ多くのヘリテージを活用し、日本発のファッションとスポーツ、そしてヘリテージとイノベーションを融合させたファッションブランドとして再ローンチを遂げます」
2013年には日本の職人によって1足1足手作りするNIPPON MADEラインをスタートし、日本の職人技術や美意識を世界に向けて発信。2012年の表参道グローバルフラッグシップストアを皮切りに、ミラノ、ロサンゼルス、バンコク、北京、ロンドンなどグローバルに旗艦店をオープンしています。
<LINE UP>
レザーシューズを主とするドレスシューズライン「THE ONITSUKA」や、
Onitsuka Tigerの世界観を通じて、現代的な感覚や時代の流行を表現したコレクション「CONTEMPORARY COLLECTION」、ブランドの歴史やブランドDNAをもとに現代的デザインを洗練させた「HERITAGE COLLECTION」などが揃います。
<Onitsuka Tigerブランドビジョン>
「人の心と生活を豊かにすること。クリエイティビティのある付加価値の高いモノとコトを提供します」
<メンバーに求めるのは、課題発見力>
「皆さんには『未来への次の一手』を考える力を養っていってほしいと思います。
具体的には、問題解決力と課題発見力の両方があるといいと思います。問題解決力は、既に発生している何らかのトラブルを解決する力。対して、課題発見力は、表面上はトラブルが発生していない中で、自ら課題を見つけ出していく力です。問題があることを解決してほしいのではなく、これから良くなるために、Onitsuka Tigerとしてもっと『こうしたらいい』という提案を期待します。課題発見力は、社会に出ても役立つ大切な力です。『Onitsuka Tiger あなたの考える未来』をクリエイティブで表現してください」と締めくくりました。
他にも、本来であれば、スタイリストや関係者以外は入れない「プレスルーム」にて、アイテムの貸し出しにもご対応いただけること。また、ブランドのロゴを正式に使用させていただき(!!)クリエイティブ作品を作ることができるといったエクスクルーシブな待遇が発表されました。現役で活躍するクリエイターも羨むような、非常に恵まれた環境で作品を制作できることが分かります。
講演会終了後も、メンバーたちはブランドブックに熱心に目を通していました。
持てる才能と情熱、そして「課題発見力」を駆使し、真摯にクリエイションに取り組んでいってください!