フォト科×スタイリスト科×ヘアメイク科による「セッションワーク」。「TOKYO CULTURE」シューティング現場をレポート【バンタンデザイン研究所ブログ】
バンタンデザイン研究所が誇る実践的プログラム「セッションワーク」。
プロの撮影現場と同様に、WSフォトグラフィー本科、スタイリスト本科、ヘアメイク本科が、計15チームに分かれ 、
「TOKYO CULTURE」をテーマに作品を作ります。
オリエンテーションからスタートし、グループごとの打ち合わせを経て迎えたシューティング当日。
ラフォーレ原宿6F「BE AT STUDIO HARAJUKU」にて、各チームの撮影が行われました。
<チーム15「秋葉原にOPENした和菓子のメイドカフェ」>
「目線をください」と、モデルさんに話しかけつつテンポよくシャッターを切っていくフォト科生。
スタイリスト科やヘアメイク科の学生も、「唇に手を持っていっても可愛いと思う」と意見を出しながらポージングを変えていきます。
撮影は1チーム20分。バストアップ、全体など、さまざまなバリエーションを撮っていきます。
シューティングを終えた学生に話を聞くと……
ヘアメイク科・山田さん(左)は「ヘアメイクは、可愛らしさと和菓子感を感じられるメイクに。
練り切りのような緑色を目元に使っていて、他にピンクや紫も入れています」
ヘアメイク科・佐藤さんは、「ヘアは、ツインテールをベースに練り切りが何個も連なっているような、
うねうね感を出しています。今回のように、他の学科とコラボレーションするのは初めて。
撮影中は、カメラマンさんの邪魔にならず意見を伝えていく、ヘアメイクとしての立ち居振る舞いが学べたと思います」
スタイリスト科山口さんは「ツイードジャケットに和菓子のフォルムのようなパニエを着せました。
メイドさんらしいパステルカラーでまとめています。メイドさんらしさと、和菓子っぽさをバランスよく取り入れるかが難しかったですね。
撮影スタジオも本格的で、本物のお仕事をしている気分でした」
<チーム8「歌舞伎と不良とPOP(仮)」>
「格好いい!」「あー!いいです、いいです」とギャラリーからも歓声が上がっていたのがこちらのチーム。
カラフルな隈取、和掘りを思わせるタトゥーペイントに、着物を着崩したモデルさんが、カメラマンに凛と立ちます。
直立して竹刀を持ったり、座ったりとさまざまなポージングと構図で撮影していきます。
スタイリスト科・高橋さんは「タイトルは未だ決まっていませんが、キーワードは不良、歌舞伎、POPです。
アイデアを練るときから今日まで、すごく刺激的でした」
ヘアメイク科・加藤さんも「意見がまとまらないことも多かったのですが、その分、色々な科の視点が入った作品ができたと思います。
同じヘアメイク科の子が描いた和彫りのペイントも、この日のために練習したもの。ネオンカラーを使うことで、
ポップさも表現できたと思います」と自信をのぞかせます。
撮影したフォトグラフィー学科・太田さんは「モデルさんの表情も良く格好よかったです。撮影中は『声掛け』が大事ですね。
いいと思ったら恥ずかしがらずいい!とどんどん声をかけています。
結果的に空気が良くなるし、チームメンバーも意見を出しやすくなります」
<チーム14「解放」>
「コンセプトは、『形式的な服に決められている社会階級。江戸時代、人々は少しでも自分の身分を上げようと必死だった。
一方で他人に出し抜かれまいと平等を求める声も存在した。現代、私たちはさまざまな生き方が承認され、
自由である故に生まれてくる無数の欲望に束縛されている。自由という概念が生む競争や葛藤から解放されたとき、
私たちは新しくなれる』です。簡単に言うと『自由が故に生まれる束縛』と江戸時代の階級社会をミックスして表現しています」と、
ヘアメイク科・前原さん。
「ちょんまげって、実は階級によって形が違うんですよ。カラフルに作ることで、現代風にアレンジしました。
メイクは奇妙な色使いで、先日のデモンストレーションで冨沢ノボル講師が使っていた技術を応用しています」
スタイリスト科・高田さんは「オリジナルの衣装を作ったのは初めてです。
上半身を着物の帯をベースに、ウエスト部分はゴムで、そこにさまざまな生地を通してドレスにしています。
最初は自分に作れるのか心配でしたが、衣装も形になり『やればできる』と思えました。。セッションワークで学べたのは、
ヘアメイクさんの視点ですね。同じ作品でも立場によって重視することや見方が違うのが新鮮でした」とにっこり。
<チーム7「天邪鬼(あまのじゃく)」>
女神のような鬼を提案したのは、チーム7。
スタイリスト科・徳永さんは「透け感あるワンピの上にレオタードとハーネスを重ねています。
人びとの心を浄化する鬼、という設定なので、華美でありながらも力強さを感じさせるスタリングにしました」
モデルさんを寝かせて、上から撮影する真俯瞰(まふかん)にも挑戦。
ヘアメイク科・森山さんは「顔全体に赤を塗るというアイデアもありましたが、それではおどろおどろしいので、
美しく鬼を表現するのが難しいポイントでした。柔らかさ、女性らしさを出すため、顔を赤のグラデーションで囲っています」
バックヤードから、ひときわ異彩を放っていたのが……
<チーム2「オタクの王様」>
ヘアメイク科・二瓶さん「テーマは『オタクの王様』です。ブレーズを作って、1本1本にオタクの必須アイテム・スカーフを巻き付けています。カラフルな『ピクセル』を顔に描いてたり、『ガチ勢』などオタク言葉のシールを貼ったりして、オタク感を出しています」
スタイリスト科・橋本さん「他の科とアイデアを出しながら作品を作っていく過程は本当に楽しいです。
普段の授業も面白いですが、セッションワークでは、他の科と綿密に打ち合わせをするので、得られる刺激が多い。
今回、アニメ作品がプリントされたジャケットなどを、ショップからリースできたので、作品に説得力が出たと思います」と話します。
フィギュアを並べ、王様の風格を出すべくベルベットの椅子に座らたりと、試行錯誤。まさに、プロの現場と同じフローで撮影が進んでいきます。
他にも、「エモい」をテーマにバイセクシャル(左)とゲイ(右)を妖艶に表現した作品があり、撮影中は「最高!」「うん、これ優勝」
と歓声が上がっていました
多くのメンバーが語っていたのが「科によって見方が違うので、意見がぶつかることは多い。
異なる意見をどう着地させるかが難しいが、別の専門を学ぶ学生が重視する点を知れたことは大きな収穫」ということ!
撮影中も、多くの神ショットが見られました。
バンタンデザイン研究所メンバーが発信する「TOKYO CULTURE」とは……?
どのような作品が出そろうのか、期待が高まります。