こんにちは!バンタンデザイン研究所です。
2月28日、名村造船所跡地にて「VANTAN STUDENT FINAL 2021」と題された卒業制作展のショーが行われました。
まだ寒い日でしたが、会場は始まる前から熱気に溢れていました。
卒業修了制作展では、各コースを専攻した学生たちが今まで学んできたことをショーや展示形式で発表します。
学生たちの晴れ舞台に用意されたランウェイは22mにもわたり、作品をダイナミックに見せられるように照明、音響、撮影などの準備がされていました。
会場が暗転し、重低音が響きます。高揚感が観客席からも伝わってきます。
WSファッションデザイン専攻のブランドショーケースでは各ブランドのコンセプトをしっかり感じ取ることができる内容のショーが行われました。日常的にも取り入れられそうなファッション、独自の感性を詰め込んだコーディネート、普段私たちが手にすることも多いアイテムを再構築している学生もいました。
それぞれが持つ個性をどう表現していくのか、何を伝えたいのか、ということが考え抜かれた作品に、モデルたちが息を吹き込みます。
一歩ずつ確かめるように、階段を駆け上がるように、時には雲の上を渡り歩くように、モデルたちが表現しながら動くたびに、服が作品であることを認識させられます。
パワフルな作品の数々は、見ている私たちにファッションデザインが持つ力や可能性を感じさせました。
コンセプチュアルヘアメイクショーは髪を素材として捉えたパワフルな作品が数多く披露され、ミュージカルを1本鑑賞したような気分にさせられました。
細かく作り込まれている部分も客席からしっかり見ることができたので、技術の高さに驚かされる人が続出でした。
ハイスクールコレクションの作品は可愛らしいイメージのものを想像しましたが、単に可愛さだけではなく、10代だからこそ感じることができる繊細な感情を表現している作品がありました。
価値観は人それぞれであることを教師陣やクラスメイトが認めてくれている世界を見ることができて優しい気持ちになりました。
ブランドコレクションではもはや確立された世界観に沿って作品が発表されました。一つひとつの作品がオリジナリティに溢れ、情熱を持って作り込まれていることに感動します。
何より印象的だったのは学生、と呼ぶのがためらわれるほどにプロ意識を持った大人の表情をしていたことです。
厳しいプロの世界の入り口へすでに立っているという自覚を持っているのですね。
貴重な経験を積んで、ファッション業界の即戦力としてそれぞれが活躍していくことへの期待が止まらない、そんな2021年の卒業制作展でした。