アイドルグループ「VIPC」プロデュースプロジェクト始動!テイストの異なる3チームがプレゼンテーションを実施!【バンタンデザイン研究所】
在校生対象のデビューイベント「カッティングエッジ」。卒業前の集大成ともいえるイベントに向けて、アイドルグループ「VIPC(ヴィプシ)」の
プロデュースプロジェクトが始動しました!!参加するのはデザイン学部&映画映像学部の学生たちです。アイドルグループのロゴデザインから、
プロモーションビデオの企画・制作からまでをトータルでプロデュースします。
<VIPC(ヴィプシ)とは?>
Twitterのフォロワーが1万人以上いるメンバーで構成された注目のアイドルグループ。メンバーは
・おくあいり さん
(https://twitter.com/omochan_dayo)
・はーぴぃ さん
(https://twitter.com/cottoncandy0206)
・ことね さん
(https://twitter.com/suzuki_kt__)
です。
彼女たちの、グループロゴ、曲タイトル、PV企画、ジャケットデザインまで、プロモーションに関わるすべての要素を考案し、ディレクションしていきます。
また、選ばれたPV企画案は、サカナクション、Perfume、ONE OK ROCKなどを手掛ける富田謙次監督と、学生とで制作するという
夢のプロジェクト。
プレゼン当日。
富田監督は撮影と重なってしまい欠席でしたが、青木講師、VIPCメンバーの奥愛梨さん、五味未知子さんにお越しいただきました。緊張感漂う
プレゼンテーションをレポートします。
1.<デザイン本科・鈴木さん&山本さん&有田さん>
有田さん「コンセプトは、『きっとグッとくる』です。感動してグッとくると、SNSのgood(いいね)がくる、のWミーニングです。また、グループロゴは
ハート型をイメージしています。文字は高級感を出すため明朝体にしていますが、ゴシック体のバージョンも作っています」
メインビジュアルには、女の子が手を繋いで、V、I、P、Cの形を模しているデザインを提案。
山本さん「曲名は、更新という意味の『UP DATE』にしました。今っぽく、新しい自分に生まれ変わるというメッセージを込めた。もう一案として、
今日のコーデという意味のタグ『#ootd』を提案します。また、SNSでバズる仕掛けとして、ピースをふたつ重ねたVIPCポーズを考えました。
『VIPCポーズで投稿してね』と呼びかけて、投稿してもらおうと思います」
グッズは、ピンク、ブラック、ホワイトで統一。歌詞を印字したタトゥーシール、エコバッグ、タオル、マスクなどを提案します。
鈴木さん「それでは、Vコン(ビデオコンテ)をご覧ください」
ストーリーは3人の女の子の物語。冒頭シーンは、寝ていた少女が起きて、スマホを見ると「あなた今日死にます」と表示される。
Aは、学校の廊下を走っています。自分が映ったポスターが貼られていますが、その前を素通り。Bは、学校の授業をつまらなさそうに受けています。
コンペに入賞できず悩んでいますが、手紙の裏に「あなたの出番よ」というメッセージを発見。Cは、SNSの通知に悩まされている少女。
布団から出られず学校に行けませんが、最後はスマホを持って部屋を出ます。リップシンクのサビでは、3人が撮影をしている様子をヒキで撮影。
大サビに向けて、少しずつ撮影シーンのヨリになっていきます。最後に女の子がSNSのハートマークをポンと推すとVIPCのロゴである♡型マークが
ポンと画面真ん中に表示され締めくくられる、というストーリー性のある展開。
奥さんも「3人それぞれのストーリー性が感じられていいですね」と、好意的に受け止められました。
2.<デザイン本科・松本さん、田沼さん、森本さんチーム>
田沼さん「私たちが考えた曲名は、『swipe up』です。画面を上に向けてスワイプするという意味ですが、加工を外して本当の自分を見せたいという
ニュアンスも込めています。もうひとつの候補は『get over』で、乗り越えるという意味です。今の自分から新しい自分になるために学校に行くことを
頑張るとか、だらけた気持ちを乗り越えるという意味です」
ロゴマークは、3案を提案。デジタル感が強いA案は、前回の提案から「P」の部分の可読性を高めています。B案は手描き感のあるデザインで、
C案は再生ボタン「▶」のマークから着想を得ています。
松本さん「ジャケットデザインは、ネットやSNSに侵食されているイメージです。A案は、バグを起こしていて、エラーがたくさん出ている様子を
表現しました。A案もB案もファッションが好きな中高生に向けています」
また、SNSでバズる仕掛けとして、LINEスタンプやInstagramのストーリーフィルター、ティーザー広告を提案。
松本さん「ターゲットの学生が、普段使うものを提案します。保存もできるストーリーフィルターは、VIPCを知ってもらうキッカケになると考えました。
ティーザー広告は、正式に情報公開する前に中身を少し知らせることで興味を持ってもらえるはず」
森本さん「グッズは5色展開にし、男女共に手に取りやすいようにしました。コロナ禍でライブが開催し辛い状況ですが、グッズだけでも買いたくなる
ようなラインナップにしています。ステッカーは、iPhoneクリアケースに入れている人も多く、会話のキッカケにもなると考えました」
他にも、マスクケース、コインケース、ハンドルフックなどを提案。
田沼さん「PVは『swipe up』が伝わるように、ビジュアル面を重視しました。ベッドの中にいる女の子が、知らない相手から動画が送られてくるところ
からスタートします。ロードするとVIPCのロゴが出ます。女の子が歌いながら歩いていき、Bメロになると、『ヴィトンもプラダもイヴサンローランも』という
歌詞に合わせて、ハイブランドアイテムの影だけが映ります。間奏は、コマ取りアニメーションのように展開します。
次のシーンでは、女の子が3人並んでいて、一人ずつ手で他メンバーの顔を覆い隠しています。間奏になると、群衆の間から顔のアップの動画が
出て、こちらを見つめています。
曲が進むと顔のヨリになり、歌っている少女たちのアップになります」と説明。リズムに合わせて、簡単に踊れるような振り付けも、数パターン提案します。
田沼さん「撮影では人をヨリで撮るものが多いので、コストを抑えられます」とアピール。
「なるほど。白ホリ(※1)だけだと、淡泊な動画になっちゃう可能性もあるね」と青木講師。「ストーリー性があるほうが見ていて飽きないのかな?
と思います」と、五味さん。奥さんは「ジャケットも広告も可愛い!スワイプしてPVが展開していくアイデアが面白い」とフィードバックしました。
3.<WS映画映像科古賀さん>
古賀さん「私は、映画映像科なので、MVのみの企画を提案させていただきます。曲タイトルは『ジブンセカイ』で、テーマは『本当のジブンを見つける』
としました。歌詞の印象はややメンヘラな感じですが、曲調はポップで、悩みながらも前を向く姿が印象的でした。
MVコンセプトは『アメリカンドールの箱』です。『あなた今日死にます』や『本当のジブンはどれ?』という歌詞から、アメリカンドールの箱に閉じ込められた女の子をポップに表現しようと思いました」
使用媒体はInstagramとYouTube。Instagramではサビの「本当の自分はどれ」というところまでを公開し、その先はYouTubeで公開するという仕掛けに。
古賀さん「シーン1では、女の子が箱を叩いていて、心の中の葛藤を描きます。シーン2は、自分が夢見る妄想の中のジブンで、ハイブランドに憧れる
女の子をあえてチープに描きます。その後、アメリカンドールの箱の中の3人の顔にクローズアップし、画面を切り替えて、3人でダンス、歌のシーンで
締めくくります。箱の中では、理想のジブンを夢みていますが、最後は歌とダンスをしている自分がいちばんの姿だと気付くストーリーです。
カラーフィルターを使って非現実的なイメージを演出します」と落ち着いてプレゼンしました。
五味さん「設定も可愛くて、女の子にウケそうだなと思います!」
奥さん「TikToKで使いたくなるような、簡単な振り付けを入れられるといいですね!」
こうして、すべてのプレゼンテーションが終了しました。全体の印象を、青木講師は「どれも学生さんとは思えないくらい分厚いコンテンツでした」
と高く評価しました。
また、参加した学生は「メンバーに直接プレゼンするので緊張しましたが、練習通りに伝えられました」「特にジャケットデザインにこだわったので、アイデアが採用されるといいな」と、安堵の表情を浮かべていました。
アイドルグループ「VIPC」プロデュースプロジェクト、どんなMVに仕上がるのか今から期待感が高まりますね!
※1……真っ白な壁、背景、空間での撮影のこと。