20.06.09 23.03.24 更新

有名放送作家・倉本美津留さんが指導!アイデア発想ワークショップを開催!【バンタンデザイン研究所】

授業/特別講師/講演会
東京校

通常授業が始まる前に、発想力を養うためのワークショップがオンラインで行われました。

 

お招きしたのは、放送作家の倉本美津留講師。

数多くの有名テレビ番組を担当するほか、アイドルプロデュースをされるなど、多岐に活躍されています。

バンタンスタッフが用意した紹介動画を観て、「えっらい古いもん、見せてるな~」と、大笑いしながら登場した倉本さん。

 

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「リモートで授業するのは初めてで、いま自分の家から発信しています。

皆さん、バンタンに入ったということはクリエイティブな仕事がしたいという想いで入っているんですよね?それやったらね、色々と伝えられることがあるかなと。」

とフレンドリーに語りかけます。

 

「さっき流れていた動画は、25年前のドキュメントです。僕は、偶然某有名お笑い芸人に出会い、偶然仕事をしてきました。その連続です。

なんでこんな話をしているかというと、バンタンスタッフさんに『あの動画を見せておいて』とは言っていないんですよ。でも、今はその偶然を取り入れて話をしている。

何が起こるか分からないけれど、それをちゃんと受け入れて表現していく。

世の中、意外とそうなっていない訳ですよ。こういう流れで喋ろうとか決めたことをしっかりやることに執着する人が多いんです。」

 

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<面白い夢、見た?>

倉本講師「ところで、最近面白い夢をみたコはいますか?」

学生「私は虹をよく見ます。無限大の形(∞)にして置いてあったり、宙に浮いてたりするんです。」

倉本講師「何度も見るの?」

学生「はい。一年に3、4回は見ます。」

倉本講師「あなたは人の三倍くらい虹を見てるんやろうね。虹、好き?」

学生「一回見すぎてうんざりしました。」

倉本講師「あはは!虹とうんざりって言葉、あんまり合わさることないよね。あなたは、誰にもない感性を持っていると思う!

虹って科学的にも解明されている自然現象。だけど、人間は見るとラッキー!って思う。

クリエイティブな人生を送りたいと思ったら発想がすごく大事!一人ひとり、違う発想ができるんですよ。自分だけの発想がある。

僕はアートというものが本当に重要だと思っている。今みんなが頭の中で観ている画を額に入れたらアートになる。生きていること自体がアートなんです。

アートに触れると心がざわっとするでしょ?それは、生み出そうと思った人の熱量を感じざるをえないから」

 

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<みんなには「魔法」に向かってほしくない>

「みんなは、きっと魔法を獲得したいなーと思って育ってきていると思う。

でもね……読んで字のごとく魔法は『魔界の法』なんです。悪魔界の法。簡単に叶ったらダメなんですよ。

努力もせんと、すっとできることはダメなんですよ。簡単に叶うと自己中になっていく。そして自然からどんどん離れていきます。

人間も自然の一部。ということは、そこには同調していかなあかん。

人間は自然を操れるとか思っているけどね、それはないんです。津波もそう、ウィルスもそう。天変地異の速度がどんどん上がってきています。」

 

<「自分」って、なんで自と分と書く?>

「次は『自分』という漢字を考えてみよう。自分なら、自、だけでいいやん。ここには、分け合うって言葉が入ってる。でも、なんで分けるって入ってるの?

一説ですが、『自分』はある言葉の略語なんですよ。さぁ、なんでしょうか。分かる人は?間違ってもええよ!」

色々な答えが出た中に、

ある学生「自然の分身?」

「そう!自然と一体化する、自分が自然の分身と思っていると出会う出来事が、全然違うんですよ。虹も自分の一部といえる。

これ宇宙論理学者の先生に聞いて、『ええっ!』て思った!人間が勝手に決めている当たり前を疑うことで、クリエイティブが生まれたりします。

 

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<発想を転換する。これこそがクリエイティブ>

「僕は、日本一の若手漫才師を決める、某有名テレビ番組に携わってます。決勝の9組までの審査をしてる。

その中の漫才で、誰もが知っている映画を見たことがないと自慢する場面があるんです。そのボケに対して、

「なに、そんなこと自慢しとんねん」「アホちゃう」ってツッコミが言う。でも、相方はこう返すんですよ。

「僕にはみんなよりも未だ感動する余地が残ってる。それは自慢できることだ」

これこそが、逆転の発想。発想の転換こそがクリエイティブなんですよ。人が気付いていないことにぜひ気づいてほしい。

 

<考えてみたこともなかった!鳥居のマークってなんであの形?>

倉本講師「鳥居って、こういう形をしているじゃないですか。なぜだと思いますか?」

学生「鳥の居場所だから、あの形なのかなと。」

講師「じゃあそれを参考に説を作りますよ。

神社はね、神様を祀っている場所で、使いの鳥を休ませる。天使ってほとんど見た目鳥でしょ?

神社ってね、いつも神様がいる訳ではなく時々やってくる場所なんです。鳥居は、神様が入りたくなる形になってるんです。」

 

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「世の中にあるものはね、ヒントなんですよ。自分がよく分からないことから、自分なりの解釈で解答を持つ。

誰が作ったか分かるようなものに対して二番煎じをする。それは絶対やってはいけないこと。泥棒です。何かに憧れて同じようなものを作っても仕方がない。

どっかで見たことがあるものは安心する。「それ見たことあるわー」「その感じねー」とか。飲みやすい糖衣を施すだけで、お金が儲かったりする。

でもそれは魔法的なこと。悪魔との契約です。0から1を作る努力を。それをすると、違和感を持たれることが往往にしてある。

それは当然で、それまで見たことないことだから。最初は理解してもらえない痛みもあるかもしれない。でも、いずれはこっちを向いてくれる。

魔法ではなく、「天法」を学んでほしい。偶然といかに同調できるかが大事。偶然こそ、本当にありがたい奇跡なんです。

本当のクリエイティブには時間がかかります。心が本当の意味で感動するのは魔法ではないんです。急にはできません。

クリエイティブはお産なんですよ。苦しくて大変なんです。熱量と工夫と時間が必要。

魔法使いは人が作ったものをパクってきて、努力もせず良心も、なくさも自分の作ったもののような顔をして出す。それでは魂が報われません。」

 

<「閃く」には、自分の鍵穴に合う人が必要>

「では、次に門構えの部首が使われている漢字を書いてください」

開、聞、開……学生たちは思い思いに漢字を書きます。

「閃く(ひらめく)という字は、門があってそこに人が入ってきている。多分これは脳みその門で、誰かが鍵を開けてくれる風景です。

自分の鍵穴に入る鍵を持つ人が来て、それでガチャンと開けてくれる。そこにインスピレーションが入ってくる。

発想するために、誰かの力を借りるんです。世の中には、感覚が合う人、響き合える人間がいる。

それは、自分の鍵穴に合う人。その人を大事にすること。通じ合い、話し合うことが『閃き』に繋がる。

みんなは、今は通学できていないけど、バンタンデザイン研究所で偶然出会える人たちは、多分鍵穴と鍵の形が近しい人たちなんですよ。

授業が始まったら、ぜひ鍵穴に合う人を探してください。」と締めくくりました。

 

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何気なく見ている夢、当たり前に使っている漢字、自分が自然の一部であること……など発想のヒントは日常に溢れている。

まさに、閃きに満ちた授業となりました!

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