<トップクリエイター育成・特別授業>「NONTOKYO」 ディレクター・中川瞬講師がフィードバック!在校生がオリジナルアパレルブランドの「ブランド事業計画書」をプレゼン!

授業/特別講師/講演会
東京校
ファッション学部

バンタンデザイン研究所では、在学中からトップクリエイターから直接指導を受けることができます。

【トップクリエイター育成・特別授業とは?】
出席率など一定の基準を満たしたメンバーに向けた特別授業。
教えてくださるのは、「NONTOKYO」ディレクター・「NONTOKYO FALAGSHIPSTORE」オーナー・
TEPPEIFURUYAMAディレクターとして活躍する中川瞬講師。

今回は、ファッション学部在校生(以下メンバーと表記)が、
オリジナルアパレルブランドを起業する際の「ブランド事業計画書」を準備。
項目は、ブランドコンセプト、ブランドの強み、競合ブランド、ブランドにマッチするセレクトショップ、
雑誌・ウェブ媒体、販売戦略、シーズン予算、1シーズンの型数、ブランドの将来像です。

メンバーによるプレゼンテーションをダイジェストでレポートします!

1  立川さん/「Liberation in my swag」

立川さん
「ブランドコンセプトは『Liberation in my swag』で自分を解放する服です。
自分の中にあるカッコいいものを解放できる服です。
自分自身、カッコいいと思うもの、価値観や美学が結構気まぐれで着る服も変わっていくタイプです。
なのでブランドの強みは、常に変化し続けてさまざまなテイストのアイテムを出し、
まだ知らない自分を解放することができることです。
ゴーグル、マスク、ビーニー、カラビナ、バラクラバ、ネクタイ等の小物を中心に展開します。
具体的な営業戦略は、まずSNSを通して、自分のブランドのアイテムを使った着こなしを発信します」

価格は8,000円~50,000円を想定しており、学生でも手に取りやすい価格帯を意識。
EC販売を中心に展開し、規模が大きくなれば店舗開設も視野に入れたい。

中川講師
「いつスタートするかが明確になってくると、これが机上の空論ではなく、リアルな話になってくる。
9型~13型を展開するのであれば、どのぐらいの金額で達成できるのか?
どのぐらいのお金を貯めれば実現できるのか。予算を1回出してみて」とアドバイス。

2 小滝芽生さん/「MEI」※Eの字は反転

小滝さん
「ブランドの名前は、MEIです。
『E』だけ反転しているのは、ブランドコンセプトの、『少し変な服』を表現するため。
何事も少し変にすることをコンセプトに、
変なものをどうカッコよく、かわいく見せるかに着目したメンズブランドです。
ブランドの強みは、独特な色使い、あとは少し変な落書きのような絵です。
競合ブランドは、Kota Gushiken、guernika、FR2などです。
スウェット、Tシャツ、コートも販売するので、価格帯は、9000円~10万円と幅広く設定しています。
Dover Street Market、THE TOKYO、ROYAL FLASHに置きたいなという願望です。
営業戦略としては、毎週火曜日21時に、着用画像の投稿をします。
調べたところ、毎週火曜日が、洋服の購入数がいちばん多かったです」
セレクトショップに置いてもらい、東京で店舗を出し、ロンドンコレクションに出るという目標を設定。

中川講師
「『少し変』とは何か?っていうところの咀嚼がもう少し必要です。
自分の中にはあるのかもしれないけど、それを他者に伝えるときに、
アイコン的なディテールや詳細が知りたいです。
ブランドの哲学をもっと明確に。ROYAL FLASHとかは、
わりと新人のブランドでも積極的だったりもするので、可能性があるかもしれません」
とアドバイス。

3 永田莉紗さん/「NOTRNORL(ノッターノル)」

永田さんは、「NOTRNORL(ノッターノル)」を発表。
このブランド名は、彼女自身の名前「RISA」や「LISA」の名前表記からインスパイアされています。

ブランドのテーマは、揺らぎやズレを楽しむことにあり、
服作りにおいてはテクノロジーを取り入れた新しい素材や形を探求しているのが特徴。
大学で理系を学んだ背景を活かし、「ホースヘアー」といった生地を使い、
体から離れた形状や動きが可能な服をデザイン。
「従来の素材に技術を融合させ、ファッションに新しい表現を加えたいと考えています。
シルエットや形状にこだわり、曲線やアシンメトリー、変形するデザインを目指します。
色は、明るい色調を使い、テクノロジーとファッションの融合を表現する予定です」

競合ブランドは、ANREALAGEやISSEY MIYAKE、Hussein Chalayanなどを挙げ、
価格帯は3万〜10万円で設定。
ブランドのビジョンは、展示会や美術館での発表、さらに、舞台衣装として使用されることを目指し、
アーティスト向けの衣装作りも視野に入れています。

中川講師
「このビジネスモデルを、いかにマネタイズするかっていうところが、
一つのポイントにはなるんじゃないかな。
どういうアクションをしたときに、自分の身にお金が入ってくるのかな?
お金の部分のリアリティっていうのがもう少しあるといいですね。
資金はいつか枯渇してしまうし、ビジネスに乗せることを自分も祈っていると思うので。
であれば、そのマネタイズをどうするかっていうのは、大きな課題として残るのかなと思います。
また、Perfumeとかに着てもらったことがあるけれど、
リアルクローズに落とせなくてお店が決まらなかった、というブランドも知っています。
なので、衣装とリアルクローズは違う部門だと認識しておいてください」とアドバイス。

4 江野琉衣さん/「永遠ぴんく」

江野さん
「ターゲットは幼稚園生から小学校低学年の女児で、
ブランドコンセプトは『ぴんくが大好きな子のための超絶かわいい女児服』です。
主要なデザイン要素は、ピンク、白、フリル、チュール、ドット、リボンなどで、可愛さを強調しています。
競合ブランドは『mezzo piano』で、価格帯は5000円〜1万2000円に設定しています。
将来の展望として、インフルエンサーとのコラボを考えていて、ブランドに合ったセレクトショップ、
雑誌『ぷっちぐみ』『キャラぱふぇ』、Instagram、TikTokでのプロモーションを考えています。
具体的には、商品購入者がSNSに投稿する際、ブランドメンションを促し、
割引クーポンやランキングを活用して認知度を上げる考えです。
シーズン型数は8〜15型で、Tシャツをメインに制作予定です」

中川さん
「プレゼン、とても上手ですね。
子ども服の参入しづらい点が、サイズ展開がとても多いことです。
すぐに成長するので、どうサイズを絞っていくかをもう少し説明できたらいいです。
江野さんは高等部1年生?若いっていうことを利用して、
いますぐビジネスを始めてみてもいいんじゃないかなと思っています。
最初、1型のTシャツからでもいいと思うので、ぜひ何かつくってみてください」
とアドバイスしました。

また、望月さんのブランド「aane(アンネ)」は、
ブランドコンセプトを「get rid of one’s stereotypes.」とし、
「先入観や規制外線を捨てさせる。自分がジャンルである」という価値観を自社の強みとしました。
レイヤードできるアイテムのみを販売し、カラーや柄でキャッチ―に。
2~7万円の販売価格を想定し、年に2回のポップアップを実施、1シーズンの予算を200万円と想定しました。

他に、名取さんによる「Morpho」、
岸さんによる「Geometryx(ジオメトリックス)」、
川村さん「REBEAULLE(リビュール)」などのブランドが発表されました。

5 中川講師からのアドバイス!

 

□ プレゼン内容の改善点:

  • プレゼンは簡潔に、コンセプトやブランドの強みをストレートに説明すると良いです。
  • 例えば「黒を絶対に使わない」といったネガティブな表現は避けるべきです。ポジティブな理由にフォーカスして、説明すると印象がいいですね。

 

□  マネタイズの重要性:

  • どのタイミングで、どれだけのお金が必要で、どれくらいのお金が回収できるのか?を現実的に考えてみてください。デザインプランだけでなく「ビジネスモデル」を明確にして、「マネタイズ」(お金を生む)戦略を検討するべきです。

□ 店舗展開のタイミング:

  • 直営店を持つ前に、セレクトショップなどで販売してみてください。ブランドへのニーズを確認してから店舗展開を検討するのが現実的です。

 

□ 衣装とリアルクローズは違う:

  • アーティストとのコラボレーションは有効!でも、「衣装」と「リアルクローズ」は異なるジャンル。区別することが必要です。

 

□ 営業戦略:

  • 明確な営業戦略が必要。BtoBでセレクトショップへの卸を目指す場合はショップのリストアップや同じラインナップに入るであろう競合ブランドのリサーチが必要不可欠。バイヤーにどのようにアプローチすれば洋服を見てもらえるか?も考えましょう。BtoCで一般をターゲットとするなら適切なタイミングでのポップアップを継続的に開催することやそれに伴うSNSの使い方の工夫が必須です。

ファッション業界で活躍するプロフェッショナルから、貴重なアドバイスをいただくことができました。
また特別授業の合間も、メンバー自ら講師に質問したり、相談したりしていました。
憧れの業界との「コネクション」を築けることも、バンタンデザイン研究所で学ぶメリットのひとつです。

【PROFILE】
高校在学中からTシャツブランド“FAULT”の卸販売を行う。上京後、19歳でブランド「banalchicbizarre」を立ち上げ全国のセレクトショップで展開する。22歳に原宿に直営店「ADDtokyo」をオープンし、「ADDosaka」、「ADDnagano」をオープンさせる。翌年、東京コレクションでの発表を開始。2014年からレディースブランド「NON TOKYO」をスタートさせる。同年、ファッション誌「TUNE」編集長就任。2016年セレクトショップ「NONTOKYO FALAGSHIPSTORE」をオープンさせ、バイイング活動も行う。2019年ECセレクトショップ「QUI」のバイヤー就任。2021年現在、デザイナー、ディレクター、バイヤーの他、アーティストのスタイリングや衣装制作、他ブランドのディレクション、コンサルティングを務める。

シェアする