<トップクリエイター育成・特別授業>人気スタイリスト・市野沢祐大講師が指導!80年代デッドストックのメンズジャケットを再構築し、「自由な感覚で」ReMake!
バンタンデザイン研究所では、在学中からトップクリエイターから直接指導を受けることができます。
1 トップクリエイター育成授業とは
出席率など一定の基準を満たしたメンバーに向けた特別授業。
「アイテムプロダクト」授業では、全3回授業の最終回に密着。
教えてくださるのは、スタイリスト・衣装企画&制作としてご活躍する市野沢 祐大講師。
導入として、「Maison Margiela」の24SS「Artisanal(アーティザナル)」を学んでから、
挑戦的なプロジェクトに取り組みます。
それは……
【課題】80年代デッドストックのメンズジャケットを、自分なりに再構築する。
ビニール、ウレタン、ストッキング、残布など異素材を組み合わせてもOK。
また、本プロジェクトではあえて「デザイン画」を描かないで取り組みます。
直感のおもむくままに、ジャケットが持つ特有の構造をいかしながらクリエイションしていきます。
市野沢講師
「80年代の貴重なメンズジャケットを、メーカーさんよりご提供いただきました。
特長として、肩パットが入っていたり、『毛芯』がしっかりしていたり、
またシルエットも現代のものとは異なります」
毛芯とは、表地や裏地だけではふにゃふにゃになってしまうところ、
「芯地」を入れることでハリをもたらし、美しい見た目に仕上げる役割が。
また、裁断・縫製をしやすくする目的もあります。
各メンバーの制作過程をチェックし、アドバイスをする市野沢講師。
市野沢講師
「ガムテープで、ホコリを取って。
ベビーパウダーをあえてつけて、ビンテージ感を出してみましょう」
これは、実際の現場でもよく用いられるテクニックなのだそう。
市野沢講師
「現場では、エイジングの演出をするためにココアパウダーもよく使います」
ベビーパウダーを少しつけるだけで、ビンテージ感が出てやや退廃的なムードに。
受講したメンバーにも話を聞きました!
2 木村 詩音さん
「ウエディングをテーマに、ジャケットを2枚使って制作しました。
ビニールでフリルを作り、レースはギャザーを寄せています。
解体してみて、胸ポケットの構造などが知れて面白かったです。
今回『デザイン画を描かない』という課題だったので、思いついたアイデアをすぐに実践できました」
3 岡本 有馬さん
こだわりは、ミリタリー要素を入れること。
「ジャケットというフォーマルなスタイルと、
好きなカジュアルスタイルのバランスをとるのが難しかったです。
赤い糸を使っているのは、人目を引くようなアクセントにしたかったからです」
他にも、パワーショルダーのようにしっかりした肩パットが印象的だったと振り返ります。
4 吉村 美樹さん
「テーマは頭で考えるよりも、手を動かすこと。
あえてタイトルを決めるとしたら『無秩序』です。
ジャケットの袖を切り落とし、アシンメトリーにしました。
これまでの通常授業では、実用的な縫製技術を学んできましたが、今回はアートワーク寄りの内容でした。
頭で考えて理論的に制作するよりも、感覚的に手を動かすスタイルが自分に合っているなと感じています」
と気づきを得ていました。
5 淺間 絵莉伽さん
「ジャケットの裏地をはいでいきました。
ドレスのシルエットが好きなので、ウエストをキュッと締めるスタイルにしています!
イメージソースは映画『Wednesday』です。
ジャケットの構造、縫い代の始末の仕方などが知れて、とても参考になりました。
1年次の修了展で『立体裁断』で作品をつくる予定だったので、今回の経験がいかせそうです」
6 高原 悠さん
「理論と感覚の両方を使っていると感じます。
手を止めずに感覚で進めていくと、考える隙がない。
普段は、リサーチをしたり、リファレンス(参考資料)を集めたりしてつくってきたので、
新しいアプローチです」
ジャケットにウレタンを縫い付けて、ウレタンの上にタイツ、ビニール、オーガンジーをかぶせて
素材を幾重にも重ねる挑戦的なディテール。不思議な質感、シルエットに。
ちなみに、コチラは市野沢講師の作品!!
すべての制作を終えて、最後は、校舎外の道路に作品を並べて「即興インスタレーション」を実施!
恵比寿の日常風景に、再構築された80年代ジャケットがズラリと並びます。
日常×非日常のコントラストがとても印象的で、メンバーも熱心に撮影していました。
全3回の特別授業を終えて、市野沢講師は
「テイラードジャケットという普段使わない素材で制作しました。
デザイン画を描かないということは、感覚とスピード感が大事になります。
実際の撮影現場でも、急遽素材を縫い足す、『手を動かしながら考える』ことが多々あります。
ファッション業界を目指す皆さんは、
『キャロル・クリスチャン・ポエル』といった職人ブランドの技術も、ぜひ見てください。
世の中には、クオリティが高いものがたくさんあります。
興味を持って知っていってください。皆さんもきっと面白いものがたくさん作れると思います!」
と激励しました。
在学中から、業界をリードするクリエイターの実践的授業を受けることで、
業界で求められるスキル、クリエイティビティを養います。
【PROFILE】
市野沢祐大講師
1986年生まれ。「乃木坂46」や「櫻坂46」などの衣装を手がけ、2024年には読売ジャイアンツのチアガールの衣装を担当するなど、躍進を続ける。クリエイティブ・ベース「TEN10」と「TEN10 LAB.」のCEOを務める。TEN10 LAB.では衣装企画&制作、OEM等でアーティストのMVや広告などの衣装制作を担当。