<HIGH FES 2023!特別ゼミ>NCT 中本悠太さんなどを担当された、ヘア&メイクアップアーティスト・OB草替哉夢さんをお迎えして。メンズメイクアップセミナーを開催!
11月25日(土)に、バンタンデザイン研究所 高等部 文化祭が行われました。
さまざまなブース、作品販売、ファッションショーなどが行われましたが、なかでも多くのゲストが集まったのが、1日限定の特別ゼミ。
「2010年に、バンタンデザイン研究所を卒業しました。今日この場に立たせていただけて、嬉しいです。10数年の知識をギュッとつめこんで、メイクさせていただきます」とご挨拶する、ヘア&メイクアップアーティスト草替 哉夢さん。
直近のお仕事では、NCT 中本悠太さんのヘア&メイクアップをご担当されています。
バンタンデザイン研究所の実際の授業同様、プロフェッショナル講師による授業を体験していただきます。
<1.メンズメイクデモンストレーション!まずはコミュニケーションから始めて>
まず、メイクアップを始める前に大切なことが!
草替講師(以下、同)「モデルさんには、アレルギーや、特定のコスメで肌が荒れてしまうことはありますか?と、最初に聞いてからヘアメイクを始めます。
今日はメンズモデルさんですが、レディースのメイクにも共通することは多いです」
<2.スキンケア>
「コットンに化粧水を染みこませて、全体に浸透させます。
メンズでも、肌が乾燥していたら、5分程パックしましょう。また、寝癖がついたままいらっしゃるモデルさんもいるので、パックの間、髪の寝癖だけを先に取ることもあります。
乾燥の度合いによって、乳液に少しクリームを混ぜることも。
両頬、額、鼻、あごの5点に置き、なじませます。
撮影する前にリラックスしてほしいと思いますが、話すのが好きでない人に対しては話しません。また、肌に触れていくと乾燥しいてる部分が分かります。
女性の場合は、コットンを使うとき下から上にリフトアップするイメージですべらせますが、メンズですとヒゲでコットンが毛羽だってしまいます。なので、トントンとやさしく置いてなじませていくイメージです」
お肌をしっかりと保湿したら、軽くティッシュオフ。
<3.ベース>
<POINT①>
&be UVプライマーを、&be ブラックスポンジで、ポンポンと肌にやさしくなじませます。「こすると、取れてしまいますので気をつけてください。ここで、ワンポイントです。メンズメイクで重要なのは、カバーしすぎないこと。また、モデルさん自身の良さを消し過ぎないこと。K-POPでもナチュラルに仕上げたいと思っているので、僕は乳液とリキッドファンデーションを混ぜて使います。薄づきファンデーションの良いところは、重ねても濃くならないところ。ハイカバーだと『塗ってるな』感が出てしまうので。
また、ファンデーションの色は、首やおでこを基準に、色を合わせてください」
<POINT②>
「目の下の赤み・血色感のある部分は、消し過ぎないで。個人的には、目の下の血色感は、メンズらしい格好よさだと思います。少し補正する程度でOKです」
<POINT③>
「小鼻は、ファンデーションブラシで塗布すると仕上がりがキレイです」
<4.アイブロウなどのアイメイク&リップ>
眉は、眉尻にグレーのアイブロウカラーを足します。
足りなければ、シャドウで補正を。「本人の眉がキレイなので、描きすぎると自然な感じが消えてしまいます。補正していくだけで、凛々しくなります。モデルさんが茶髪のときは、茶色の眉マスカラで整えてください」
また、女性と異なり、まつげは束感を出さず、ダマにならないようにスクリューブラシでとかします。最後に、セミマットタイプのリップをオン。
<5.ヘアのポイントは?>
「ヘアスタイルは、ドライヤーとストレートアイロンで作ることがほとんどです。
今日はセンターパートにしようかな。根元は少しカールさせて、毛先を外に向けながらカールを作るようにすべらせていきます。
襟足がふくらんでいる人は、襟足をおさえて。コームを使って、毛の流れを外向きに整えます。前から後ろに流すようなイメージです」
今回は、スプレーを使い軽く固めます。ちなみに、ブリーチで髪が痛んでいる人は、バームで仕上げることが多いそう。
さらに、現場ならではのこんな技も!「ドライシャンプー、使ったことはありますか?一日の現場で何度もチェンジしたいとき、重宝しますよ。水だと、せっかくのばしたクセが戻ってきてしまいますし、オイリーなセット剤でベタベタにするとチェンジが大変です。ドライシャンプーはウエットスタイルの後に、ふんわりヘアスタイルに戻したいといったシーンにも活躍します!」と、これまでに現場で培ったテクニックを惜しみなくシェア。
情報量が整理され、モデルさんの良さが際立つヘア&メイクアップが完成!!
「メンズメイクが上手になりたければ、お友だちやお父さんで練習してもいいと思います」とアドバイス。
<6.草替講師のバンタン生時代を教えて!>
後半は、スタッフがインタビュアーとなって講演会を行います!
――― そもそも、ヘアメイクを目指したキッカケは?
「ハイブランドの香水の広告を見て、『人間はこんなに美しくなれるんだ!』と感動したからです。バンタンデザイン研究所入学時は、ファンデーションとコンシーラーの違いも分かりませんでした」
――― 在学中は、どのようなことを意識して過ごしましたか。
「どんなに小さな仕事でも、自分にきた仕事や手伝いは何でもやってみようと思いました。例えばスタイリスト科の作品撮りも、6組くらい掛け持ちしていました。何に向いているかも分からないので、何でもやってみようと思っていました!
また、ある講師が言っていた『自分にきた話は、あなたができると思っているからきています。ちょっと頑張ればできるはず!例えば、着付けの依頼でも3日前なら猛特訓できます。自信がなくてもやってみて』という言葉は印象に残っています」
――― なるほど。バンタンデザイン研究所卒業後は、パリに行かれましたよね。
「授業で『自分の好きな写真を20枚以上集めろ』という課題がありました。フランス人のフォトグラファーや、ハイファッションが多かったので自分はパリが好きなんだと分かりました。学生ビザで渡仏しましたが、フランス語は全然喋れなかったです。フランスでは『JAPAN EXPO』というイベントで搬入・搬出を手伝ったり、日本製ネイルを紹介する出展ブースでデモンストレーターを務めたり。そういったときに主催者に、『自分はヘアメイクなんです』と自己紹介し、BOOK(※作品集のこと)を見てもらいました。また、バンタンデザイン研究所に特別講師でいらしていたヘアメイクアップアーティストEita様の連絡先を、スタッフから教えてもらい『荷物持ちでもなんでもします!』と連絡をさせていただきお世話になりました。そうした繋がりで、パリコレにもヘアメイクとして携わることができました。帰国して、サラリーマン1年、アルバイトも2年ほどしながら、ヘアメイクをしていましたが、27歳まではヘアメイクとは言えていませんでしたね。
あるブランドのお仕事で、年に3~4回中国に行くようになり、ヘアメイクだけで食べていけるようになりました。コロナ禍で、海外での仕事は全部なくなりましたが、バンタンデザイン研究所の友だち経由でお仕事をもらうことも。すべては、お世話になった人の繋がり、繋がりです」
また、在校生からの質問にも答えてくださいました!
――― 今までで、記憶に残る現場はありますか?
「フランス滞在2年目でオートクチュールのブランドから、『コレクションのディレクターに入ってほしい。哉夢はヘアメイク両方できるから、やってもらいたい』とオファーをいただいたとき。ドキドキでした。あとは、タマネギヘアで非常に有名な方の現場も、光栄でした」
最後に、在校生&入学検討者に向けて……
「これまでのキャリアを振り返ってみると、コロナでお仕事がなくなり大変な時期もありました。でも、急に光栄なお仕事をいただくこともあります。
もしもヘアメイクを辞めて、道具も全部手放してしまっていたら、チャンスがあっても依頼は受けることができません。なので、挫折をしても、辞めずに続けることが大切です。好奇心を持って、バンタンデザイン研究所で積極的に学んでいただけたらと思います」とメッセージ。
業界で活躍するプロフェッショナルから、直接指導してもらえるのがバンタンデザイン研究所 高等部の強み。
ヘアメイク・ビューティアドバイザーなどに興味がある来場者にとって、得るものの多いゼミとなりました!
【PROFILE】
Kanamu Kusakae
@kanamu_kusakae
https://www.kanamukusakae.com
気になる方は是非一度
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