ファッションデザイン専攻 前期修了展示会「2023 EXHIBITION」へ。「VANTAN CUTTING EDGE 2023」出場ブランドなど、注目をピックアップ!【バンタンデザイン研究所】
バンタンデザイン研究所では、実践的な専門教育を行っています。
一般的に、ファッションブランドは、S/SとA/Wコレクションを発表する展示会を行います。
展示会は、バイヤーやプレス、インフルエンサーなどを招き最新コレクションをお披露目する場。アイテムの
オーダーを受け、ブランドとしての情報発信を行います。
今回は、23年9月29日・30日に恵比寿校舎にて行われた「2023 EXHIBITON」をレポート!
メンバーが在学中に起ち上げたファッションブランドや、制作したアイテムを発表します。
- 2年制ファッションデザイン専攻1年次・2年制週3日ファッションデザイン専攻1年次「ORIGINAL BOTTOMS」
6Fでは、メンバーがデザイン、パターン、縫製までをトータルで行った「オリジナルボトム」を展示。
スタイリングができるよう、トップスも合わせて制作しています。
中川さんは「不良文化」をテーマに制作。「パターン(※服の設計図)に始まり、生地をカットし、縫いしろを決めてトータルで制作しました。縫いしろ通りにミシンを使うことが難しく、いろいろな学びがありました」と振り返ります。
短ランをイメージしたショート丈トップスと合わせることで、再解釈した「不良文化」を楽しめます。
他に、デビューイベント「VANTAN CUTTING EDGE 2023」に出場した「Lil.Bedroom」は、
「GAME SHOP」をテーマにしたコレクションを発表。
同じフロアでは、2年制ファッションデザイン専攻1年次によるオリジナルボトムスの展示も
行われていました。佐藤さん(写真左)、林さん(写真右)にインタビュー。
佐藤さん「『Fuyume Sato』というブランドを起ち上げました。今回のコレクションは、
『Venus Fly』(ハエトリグサ)から、インスピレーションを受けています。
Asia Fashion Collection 11thにも応募しましたが、惜しくも通りませんでした。限られた期間で高い
クオリティを求められるなど、参加して学ぶことも多かったです」
林さん「カーゴパンツを制作しました。ラッパーのトラヴィス・スコットをアイコンとして、ヒザの開きや
ルーズなシルエットなど、アーティストが好むアイテムに仕上げています」と意図を話します。
- トップザイナー専攻「REMAKE SHIRT PROJECT」
こちらは、トップデザイナー専攻による展示「REMAKE SHIRT PROJECT」。
「好きなカルチャーをひとつ選び、その時代のカルチャーをリメイクシャツで表現することが課題です。
テーマは『ヒッピー』です」と、荒木さん。
襟のパッチワークがこだわりと説明しますが、「ヒッピーの文化に寄せ過ぎた印象もあります。
制約がある中でも、今後はもっと自分らしさ、オリジナリティを表現できるようになりたいです」と抱負を語ります。
- 高等部3年次
高等部 ファッション学部 3年制ファッションデザイナー・スタイリ スト専攻 3年次 山本 実汐子さんによる「ZITSUSHIOSHI」。
高等部 3年制ファッションデザイナー・スタイリスト専攻 3年次 十場 いちごさんの「5ichi?」などが、
コレクションを展示。
また、第22回全国高等学校ファッションデザイン選手権大会で東京都代表に選ばれた、
バンタンデザイン研究所 高等部 坂井啓士朗さん・大城一春さん・笹原蘭さんの作品、「一つの命」もお披露目!見事、準優勝に輝いています。
さまざまな動物の頭を、重層的にして形作られたドレスは、圧倒的な存在感を放ちます。
- ランジェリーデザインコース
こだわりのランジェリーを紹介してくれた、ランジェリーデザインコースのメンバー。
「SUIMENKA」デザイナー渡邊さん(写真いちばん左)は「すべての自分を表現できるランジェリーブランドをテーマに、チュールなど透け感ある生地を使っています。フラワーのモチーフもポイントです」少女らしさ&落ち着いた女性らしさという相反するムードのどちらにも寄り添えるデザインに。
また、「Cmoon」(シームーン)デザイナー庄司さんは、卒業後はランジェリーブランドを起業予定。
「コレクションのテーマは自然です。レースは水面をイメージしていて、穏やかな波などをデザインに落とし込みました。サンプルは、すべて手縫いで仕上げています」
他に、山村さんの「Bellmade」、利さんの「Klosti.」など、コンセプト、生地や色合いなど細部にまでこだわったランジェリーが並びます。
渡邊さんは「24年2月には、卒業制作展があります。バンタン全スクールで学ぶメンバーが集まり、自分の作品をプロフェッショナルにプレゼンテーションすると聞いています。今回のような展示会でも、プレゼンを練習していきたいです」とコメント。
- ファッション総合コース1年次「合同Tシャツ展示会」
こちらでは、2クラス、約30のオリジナルTシャツを展示。
優秀賞を獲得した山田さんは「1920年代がテーマです。脱コルセットムーブメントに代表されるような、
反抗的な空気感をデザインに落とし込みました」
幸村さんの作品も、クラス最優秀として講師陣より評価されています。
「『Transformation』がテーマで、前と後ろに反対向きの2つの顔を持つ双面神『ヤヌス』から着想しています。服は自分を表現するものですが、顔も同様に自分を表現するものだな、と思ってモチーフに選びました。
授業で習ったAdobe Illustratorを活用して、デザインしています」
- 2年制ファッションデザイン専攻2年次、3年制ファッションデザイン専攻3年次
小池さんのブランド「COMET」は、24SS「CUNTY COUNTRY」コレクションを披露。
「セットアップの模様は、青写真の方法を応用しているんですよ。また、カウボーイのズボンカバー『チャップス』を取り入れたボトムスは、レイヤードで着ると可愛さが際立ちます」と解説。アメリカ・アリゾナ州で育った自身のバックグラウンドを存分に活かしたコレクションに。
- 3年制ファッションデザイン専攻2年次
ファッション学部 3年制ファッションデザイン専攻 2年次 石川 真緒さんは、「Ishikawa Mao」コレクションを発表。
「VANTAN CUTTING EDGE 2023」で準優勝を果たすなど、注目のブランドです。
デザイナー石川さんは「『Under Water』をテーマに、骨化した貝やホルマリン漬けの生物の展示を見て、ヒントを得ました。海というとキレイで美しいイメージがありますが、海洋生物が危機に瀕している状況に想いをはせるキッカケになれば嬉しいです。
かぎ針編みのニットドレスなど、クチュールがメインでしたが、次のシーズンからはプレタポルテとして、
できるだけ着やすいアイテムを制作したいです」と語ります。
こうして、前期のクリエイションが、一同に会しました。
ファッションデザイン専攻オールのイベントだから、たくさんの作品を効率よく見て周ることができます!
クリエイションするだけでなく、他者の作品を見て吸収するのも、大切な学びです。