<AFC10th>2022.10.14 ~ 2022.10.30、渋谷PARCOにてPOP UP STORE OPEN!注目ブランド「YONLOKSAN」、「Kaoism(e)」、「COCOTONO」デザイナーにインタビュー【バンタンデザイン研究所】
渋谷PARCOにてPOPUP STOREをOPEN‼
Asia Fashion Collection(AFC)は、VANTANとPARCOが共同開催するアジアの新人デザイナーを発掘・インキュベートするプロジェクト。2022年10月14日から10月30日にかけて、渋谷PARCOにてポップアップストアをオープン。過去2年間でTOKYO STAGE、NEW YORK STAGEにてランウェイデビューを果たし、現在も注目を集める5ブランドを選定しています。
バンタンデザイン研究所在校&OGデザイナーが手掛けるのは、「YONLOKSAN」、「Kaoism(e)」、「COCOTONO」、「NAHO OKUZAKI.」。
営業の合間に、3ブランドのデザイナーにインタビューを行いました。
<YONLOKSAN>
3シーズン目を迎える「YONLOKSAN」は、OG・新國あおいが手掛けています。
AFC8th日本代表ブランドとして、N.Y Fashion Weekにデジタル参加を果たしました。
ルックブック撮影にスタイリスト・渕上カン氏を起用し、最近ではプレスルームでの展示もスタート。アイドルへの衣装リースや、メンズファッション誌でアイテムが紹介されるなど、順調にブランドを成長させています。
――― 2023S/Sのシーズンテーマは。
新國さん(以下、同)「Recollectionで、昔を懐かしむ懐古という意味です。自分が元々いた環境と、得てきた新しい要素を混ぜ“Neo Classic”をキーワードとしています」
――― デザインのこだわりは。
「ありそうでなかったもの。“意外と見たことがない”デザインを考えるのが好きです。また、着方も一通りではなく自由に楽しんでほしいと思っています。お客さまから、『面白いね!』『見たことない』と言ってもらえるのが誉め言葉です」
――― AFC応募の経緯は?
「当初はピンときていなかったのですが、講師や周りに薦められて応募しました。服作りをするうちに、その魅力にハマっていきました」
――― 渋谷PARCOでのポップアップを通して、得られた気づきは?
「VMDが大切ということ。バンタンデザイン研究所スタッフの太田さんから『せっかくルックを飾っているのだから、掲載されているアイテムを正面に出したほうがいい』とアドバイスをいただきました。また期間中も商品の並びを変えていて、お客さまが手に取ってくださり、反応が良いアイテムを前に出すなど工夫しています」
――― ラックには10着かけていますね。
「そうですね。でも、量感としては多すぎるそうで、8着くらいがベストだそうです」
――― 今後の目標は?
「PRについては人との繋がりが本当に大事だなと実感しています。今後、セールスの目標として、セレクトショップに卸していけたらと思います」
――― 在校生&これからファッション業界を目指す人にメッセージを。
「AFCに応募するならスケジュール管理が大事です。授業もあるし、学内コンペティション CUTTING EDGEもあります。一人で、コレクションのデザイン・縫製、モデル探し、ショーの演出までするとパンクしちゃうと思うので頼れる部分は頼った方がいいと思います。縫製が得意なクラスメイトや工場さんに発注してもいいし、自力でやるには限度があります。無理せず、体調を崩さないように頑張って」とエールを送りました。
<Kaoism(e)>
有名アスリートの衣装など、リース実績も豊富な、Kaoism(e)。
YONLOKSANと同様、Asia Fashion Collection 8 th 日本代表ブランドとしてN.Y Fashion Weekにデジタル参加を果たしています。デザイナーは、OG・冨山華緒さん。
――― 今シーズンのテーマは。
冨山さん(以下、同)「前回シーズンが“Neighborhood Dress(ご近所ドレス)”でしたが、今回は“学校を卒業して就職した人々”をイメージソースとしています」
――― 人気アイテムは。
「プリントカットソー(写真右)は毎シーズン作っていて、人気です。ファーストコレクションへのオマージュをもとにデザインしたボトムも展開しています」
――― 現在の活動状況を教えて。
「Kaoism(e)を運営しながら、資金を捻出するために週3、4日は、アパレル会社で企画アシスタントを行っています」
――― AFCに参加したキッカケは。
「周りも参加していたので、流れで応募したのが本音です。自分にブランドが運営できるとは想像していませんでした。今はチャンスをもらっているな、と感じます」
――― ルックブック撮影は、どのようにしている?
「卒業生フォトグラファーの阿部駿さ
んと、OBスタイリストの吉田さんに、モデルは事務所所属の方にお願いしています。良い作品に仕上がったときは最高です!」
――― ブランド運営の喜びは、どのようなときに感じますか。
「お客さまに購入していただいて、着ていただいたとき!」
――― 渋谷PARCOでのポップアップ実施を聞いたときの感想は?
「感度の高いお客さまに見てもらえるので、とても嬉しかったです。AFCに参加して良かったなと思いました」
――― ポップアップに参加して良かったことは?
「DOKKA vividデザイナーさんと同じシフトになったときに、ファッション業界のお仕事を紹介してもらいました。同世代のデザイナーと話すだけでも刺激をもありますし、AFCに参加したことで、業界の横の繋がりができたので良かったです」
――― 今後の目標を教えて。
「アパレル業界では、年2回展示会をするというのが慣例ですが、これまでの方法に固執する必要はないのでは?と思っています。オンラインショップを開設し、SNSに力を入れて自分のスタイルにあった方法で売り上げを伸ばしていきたいです」
<COCOTONO>
AFC9th 日本代表に選出された「COCOTONO」は、「lol(laugh of little)」 がコンセプトの、思わずフフッと笑ってしまうようなデザインが特徴のファッションブランド。
2ndシーズンを迎えた「COCOTONO」のテーマは「KAWAII MEN’S STYLE」。デザイナー深澤思乃自身がデザインしたジャケットと、「鴨のカモフラージュ」ボトムを着用し、インタビューに応じました。
――― テーマについて教えて。
深澤さん(以下、同)「日本の可愛いカルチャーで有名なのは、主に女の子のカルチャーだと思います。そこで、男の子の可愛いスタイルを新しく世界に発信したいと思い、このテーマを考えました」
――― アイテムのラインナップは?
「プリーツスカートを模したパンツを提案する予定。ステッチなどデティールにこだわります」
――― ブランドとしての活動実績は。
「ジャニーズ所属タレントにリースしたことが大きかったです。2022年10月27日発売の雑誌でも、ご着用いただきます。スタイリストさんが見つけてくださり、お話をいただきました。とても光栄ですし、ブランドの認知度を上げていくフェーズだと思っています」
――― Twitterでは、「着用した衣装」として宣伝するなど工夫されていますね。
「反響は大きく、ぬいぐるみを持って写真を撮りにくるファンもいます。ただ、メンズブランドなので実売に繋がっていないのが難しいで点です。アイドルが着用した=男性顧客が買いたい、とはなりにくいです。ノートなど手にとりやすい小物も販売していますが、工夫が必要だと感じます」
――― ポップアップストアに参加して学びになることは?
「たまたま入ったお客さんが買える価格帯ではないので、手に取りやすいアイテムと価格帯の商品が必要だと感じます」
――― 有楽町の百貨店で行われたポップアップストアにも、参加されていましたね。
「ブレザーと、『チェックをCHECKワークシャツ』のセットアップが売れました。
オーダーがあり嬉しい反面、縫製を一人で行っているので、生産量に限界があると感じています。今、バンタンデザイン研究所ファッションデザイン専攻のメンバーでブランドを手伝いたいという在校生が見つかり、有難い状況です。COCOTONOの生産体制を整えて基盤を整える時期だと感じています」
――― ブランドの課題は?
「発信力やショーの演出には自信がありますし、クリエイティブな発想もつきません。ですが、今後のブランド運営については真剣に考えています。どうしたら長期的に必要とされるブランドに成長できるのか?海外メゾンにインターンして学びたいですね」
――― 今後の展開は。
「アパレルを軸にしつつ、アクセサリーや靴下、文房具などのアイテムも充実させていく予定です。既に『COCOTONO』の商標は取っているので、目先の利益にとらわれすぎず、サステナブルなビジネスとして継続していきたいです」
期間後も、SNSやオンラインショップで、AFCデザイナーのクリエイションにご注目ください。
http://kaoisme-onlineshop.myshopify.com/