選抜者のみが出展できる「CUTTING EDGE」撮影をレポート。ヘアメイク専攻メンバーが解釈した、「LIFE」ヘッドピースとは?【バンタンデザイン研究所】
選抜者のみが出展できる
「CUTTING EDGE」撮影をレポート‼
今回は、バンタンデザイン研究所の伝統イベント「CUTTING EDGE」準備をレポート!
<バンタンカッティングエッジとは?>
バンタンデザイン研究所が主催する、国内デザインスクールの中でも最大級の在校生を対象とした複合型デビューコレクション。数カ月におよぶ厳しい学内審査で勝ち残った作品を、ショー、展示、ショップ形式で発表します。
今回はヘアメイク科に密着。「LIFE」をテーマに、ヘッドピースを制作しました。参加するのは、ヘアメイク専攻1~2年次、WSヘアメイク専攻1~2年次、メディアヘアメイク総合1~3年次の専門部とヘアメイク総合2年次の高等部で、東京校だけでなく名古屋校メンバーからも作品応募がありました!前回は制作の特講をレポートしましたが(https://www.vantan.com/topics/blog/detail/4825.php)
今回は、モデルさんを起用し、ヘアメイク、衣装を準備しての「シューティング」をレポート。
<MAKE ROOM>
メイクルームでは、撮影の準備に向けてモデルさんたちへのヘアメイクが進んでいます。
緊張感が高まっている、在校生(以下メンバーと呼びます)にインタビューを行いました。
<長坂さん>
「LIFEというテーマだったので、日本のルーツと自分のルーツを考えました。実家がお米屋さんを営んでいるので、幼いときから親しみがありました。素材には、衣食住さまざまな用途に使われていた藁(わら)を使おうと決めました」
書籍やYouTubeを参考に、お正月に玄関に飾られる「しめかざり」を再構築。「制作は、とても楽しかったです。藁を編むことは初めてでしたが、長い歴史を持つしめかざりの原型から外れ過ぎたヘッドピースを作りたくはありませんでした」と、こだわりを明かします。モデルさんには現役のダンサーを起用し、メイクはアイラインを強調しモードな色使いに。「和の雰囲気を活かしつつ、現代風なエッセンスも加えたかったんです。満足のいくものが作れたと思います」と、自信を見せます。
<髙林さん>
「タイトル名は未定ですが、ガーゼを使ったヘッドピースを作りました。理由は、制作期間中、私の周りに病人が多かったことと『LIFE』には生命という意味もあるので、テーマと直結しました」。真っ白なガーゼを何重にも使い、ランダムに黒い色を着色し、あえて汚れも。「儚いけれど、尖った雰囲気も表現できたら。肌を白くして、赤リップのメイクにし黒と白のコントランストを出しています」と、メイクの意図を説明してくれました。
<金子さん>
「織りなす」をテーマに設定した金子さん。
DNAのイメージをヘッドピースに落とし込みました。
また、太陽の光を浴びたかのような神秘的なメイクに。
数名のアシスタントをつけ、大掛かりな撮影にのぞみます。
「ヘアメイクの仕込みをしているとき、通常授業を指導してくださっているハヤシルイ講師がチェックしてくれました。ルイさんから『ヘッドピースが上に向いているので、ヘアも上にポイントを置いたほうが一体感が出るよ』とアドバイスをいただきました。とても参考になりました!」とコメント。
――― カッティングエッジに参加することで得られたことは?
「自分の頭の中のイメージが、人が被れる状態に落とし込むまでの過程が難しいです。何度も試行錯誤をして形になるのは楽しいし、実験的なプロセスで学びになります」
<西川さん>
「タイでバックパッカーをしていたときに、街で何重にも絡んだ電線の風景」からインスピレーションを得て、ヘッドピースを制作した西川さん。前回インタビューしたときは、電線が幾重にも重なって迫力がある一方、重すぎて不安定という課題を抱えていました。
「重さを軽くすることは難しかったのですが、安定性をあげることはできました!
また、モデルさんが被るときはこまめに外して撮影にのぞみます。
メイクはリップにゴールドを使い、『人間っぽさ』を消す予定。今日は緊張しすぎて、倒れそうです。昨晩も眠れませんでした」と、明かします。
実は、撮影に進めたからといって、現時点で作品の出品が約束されている訳ではありません。撮影された作品を見て、北川香菜実講師、NAO講師がジャッジし、出展が実現します。
北川講師「ヘアメイク作品の撮影と同じで、ヘアメイクとヘッドピースのバランスを見ています。どのメンバーも、良い写真に仕上がるのではないかと期待しています」
NAO講師(写真手前)「僕もメイクの質感、左右対称かどうかなどをチェックしています」とフィードバックしました。
他にも、目黒さんの「ディップフラワー」をあしらったヘッドピース、山田さんの「連鎖」など、ユニークでインパクトのある作品がシューティングにのぞみました。メンバーの頭の中にあったデザインが形となり、モデルさんにまとわれて新しいスチール作品へと昇華していく工程は、とても実験的でクリエイティブ。
正解のない作品を生み出すプロセスを、実践で学べていますね。
2022/10/29(土)11:00~19:00、10/30(日)11:00~17:00
アドレス:東京都渋谷区恵比寿1-23-21 ヤマトハイツ1F
アクセス:JR恵比寿駅東口から徒歩約5分