下北沢reload へのPOP UP STORE出店をかけてプレゼン。在校生が手掛ける全17ブランドの「学内選抜会」とは?【バンタンデザイン研究所】
POP UP STORE出店をかけた
プレゼンに密着レポート‼
バンタンデザイン研究所は、在学中から、ビジネススキルを身に着けるプログラムが豊富に揃います。
その中の一つが、オリジナルブランドを企画立案し、商品のデザイン・制作・販売・プロモーションまでをトータルで手掛けるプロジェクトです。
学内選抜を勝ち抜いたブランドは、都内の人気商業施設に期間限定でPOP UP STOREを出店することができます。これまでの実績として、ラフォーレ原宿、渋谷パルコ、新宿ミロードなどに、在校生(以下、メンバーと呼びます)ブランドが出店を果たしています。また、目標の売り上げを達成するブランドや、タレント・芸能人に衣装提供を行うブランドが誕生するなど、ブランドの「インキュベーション」(起業育成)にもなっています。
今回は、下北沢reload(リロード)に、10月14日(金)~10月17日(月)にかけてPOP UP STORE出店の機会をめぐって行われた、学内選抜会をレポートします。
<2年制ファッションプロデュース専攻2年次 池田舜さん>
「自分の名前を冠した『SHUN IKEDA』では、80年代のセットアップと、Tシャツを用意しました。『アメリカンジゴロ』という映画を着想源として、Tシャツには手刷りでプリントしています。パターンと縫製は外注しています。今、古着屋に置いてもらえるように営業をかけています」と、デザイナー池田さん。トレンド感のあるカラーセットアップを、プリントTシャツでドレスダウンして着こなすスタイリングを提案します。
<2年制ファッションプロデュース専攻2年次 花田莉胡さん>
「私がプロデュースするのは『WINTER SWEET』です。コンセプトは“something special that attracts your heart”。もっとこんなものがあればいいのに、というアイテムをフリルやスタッズを使って制作しています」。今季はレイヤードできるハーネスチュールと、スマホショルダーを提案。
花田さんは「前回、ラフォーレ原宿へ出店した際に『TENDER PERSON』デザイナーのビアンカさんが、購入してくださいました。ファッション業界の人に買っていただけたのがとても嬉しいですし、今後はPRにもっと力を入れていきたいです。現在、アパレルの販売職をしていますが、ブランド運営も並行して続けていくつもりです」と意気込みます。ブランドプロデュースのメリットについて「コンセプト作りから、商品の展開まで、ファッションビジネスの一連の流れが分かること。『WINTER SWEET』の認知を広げられるように、今後はECなども展開していきます」と語ります。
<3年制ファッションプロデュース総合2年次 嘉数紀里さん>
「下北沢はサブカルチャーの発信地や、『下北沢カレーフェスティバル』も有名ですよね?今回は、カレーと、もともと大好きだった古着を掛け合わせ、『カレーのグラフィックがプリントされた古着』を作ってみました。また、『ADDA』というカレー屋さんを口説き落とし、コラボレーションさせていただきました。お店にオリジナルのトレーナーを置いてもらうことで、一見さんとの会話のキッカケにもなるのではないかと思います」
審査員や、クラスメイトからも好評だったトレーナーは、売価8800円前後を予定。「これまでは、愛犬をモチーフにしたデザインTシャツをSNSで販売していたのですが、中川講師と相談し、まったく新しいブランドのプロデュースにチャレンジしました」と話します。
古着屋にありそうな英字のロゴに、カレールーを入れる「グレイビーボート」を加えたグラフィックなど遊び心を感じさせるデザインが印象的。
<2年制WSファッションプロデュース専攻2年次 宮澤凛音さん>
「気品と強さのある、ロマンティックなワードローブ。そこから広がる私の物語」がコンセプトの「Audrey Robe」。ダークロマンティック&ヴィンテージな世界観で、オリジナルとリメイクを展開。鎖骨がキレイに見えるスクエアネックのワンピースは、今季の推しアイテムとしてトルソーに着せて展示しました。
デザイナー宮澤さんは、「20代から30代前半くらいの女性のお客さまが多いブランドです。今回は、ブランドとして初めて、外人のモデルさんに依頼してルックブックを撮影しました。販促物を作ることで、自分のやりたいことも明確になったと感じます」と、手応えを感じている様子。
<2年制ファッションプロデュース専攻2年次 佐藤瑠菜さん>
渋谷パルコへの出店経験を持つアクセサリーブランド「DIR」。
「前回の出店では、約4万円を売り上げましたが、私自身は体調不良で店舗に立つことができず、思うように数字が伸びませんでした。なのでreloadには、ぜひ出店したいです。オンラインだけでなく、実際に店舗を出すことでブランド認知が広がると期待しています」。一方で、ブランド運営の苦労については「みんな同じだと思いますが、デザイン、制作、ショップカードの制作やSNS投稿まですべてを自分で手掛けているので、形にしていくのは大変です。その分、やり甲斐もあります」と話します。
<2年制WSファッションプロデュース専攻2年次 紅林尚朗さん>
「『gamecenter』のブランドコンセプトは、『自分たちの“これまで”をカタチにする場所』で、10代から20代前半の古着を好む人、グラフィック系のデザインが好きな人、トレンドにとらわれすぎることなく服を着こなす人をターゲットとしています」と、端的にプレゼンする紅林さん。
今回は、架空の教育機関「GAMECENTER UNIVERSITY」をシーズンテーマに設定。単なる教育機関ではなく「ゲーマーやギャンブル中毒を育てる」という、設立者の裏目的があるという設定で、エンブレムにはガイコツのモチーフがあしらわれています。「人の不幸は蜜の味、じゃないですがダークな世界観を表現したコレクションです。古着店で働いていて、カレッジ系アイテムは人気があるので売れると思います」と説明。
SNSやSTORESでも商品を販売していて、一定の固定客を獲得しているgamecenter。スウェットも全20着のうち、10着のみダメージ加工を施すなどお客さまの多様な嗜好に対応する予定。
また参加者の中には、唯一グラフィックデザインコースのメンバーも。
<1年制WSグラフィックデザインコース 木島のぞみさん>
大学で犬の行動学を学び、ペットグッズの販売店・店長を5年ほど経てバンタンデザイン研究所に入学したという木島さん。
「私には、ずっと夢がありました。それは、いつか“まずるやさん”を開くことです。まずるとは、動物の鼻から口先にかけての部分のことで、細長かったり、ムチッとしていたり、鼻ぺちゃだったりと個性があり、どの子も可愛いです。実は数カ月前からマズルに特化したアカウントを解説し、マズルの魅力を発信しています。マズルの写真投稿も多く、『今日かぶっているキャップが欲しい』という声も多くありました。また、マズルだけにスポットを当てて絵を描いている人が見つからなかったので、チャンスがあると考えました」と力を込めます。販売予定のアイテムは、3サイズ展開の額縁アート、マズルのイラストをプリントしたマグカップ、お散歩にも活躍するバッグ。「この部分をマズルっていうんだ!知りませんでした」など、審査員にも新しいアイデアを提案できた様子。
他にも、見城さんは大好きなアイドルの衣装から着想を得たブランドを提案。芸能活動を行うインフルエンサー桃木さんの「SHEER BABEL」は、自身のネームバリューを活かし、ブランドのロゴ入りトレーナーなどを展開予定。POPU UP STOREをファンとの交流の場として活用し、来店を促す計画です。三村さんの「Shiny Shiny」は、コートとしてもワンピとしても着られるカラフルな2Wayドレスを提案するなど、多彩なプレゼンテーションとなりました。
現役プロフェッショナル講師の評価を得て、出店するブランドは……?
10月中旬のPOP UP STOREオープンを、お楽しみに。
そして、気になるブランドがありましたら、ぜひreloadに足を運んでみてください。