Asia Fashion Collection(AFC)9th 2次選考をレポート!11月の国内最終審査会に進む上位9ブランドは……?【バンタンデザイン研究所】
バンタンとパルコが主催する「Asia Fashion Collection(AFC)9th 」2次選考をレポートします!
<Asia Fashion Collectionとは?>
NYコレクションデビューを目指す、アジアの若手デザイナーを対象としたファッションブランドコンテスト。これまでに、「DAIRIKU」(デザイナー岡本大陸)、「Fumiku」(デザイナー林史佳)、「kenichi.」(デザイナー石田謙一)などを輩出。
バンタンデザイン研究所在校生、卒業生のみならず、学生または学校卒業後 2年未満(2021年7月時点)の方を対象としています。
今回は、100を超える応募の中から、1次審査を通過した17ブランドによる2次審査の様子をレポート。
7名の審査員にプレゼンテーションを行います。通過できるのは、9ブランドのみです。
「NAHO OKUZAKI」(デザイナー奥﨑 南帆/バンタンデザイン研究所)
「ブランドのコンセプトは『シェアクローゼット』です。『NAHO OKUZAKI』は、私自身が彼とメンズウェアをシェアしていたことから始まります。
オーバーサイズな感じや、袖のたまりが可愛いと思いました。シーズンテーマは『PM8:00からPM11:00』です」
左から順に、急に決まったデートへの装いをブーケバッグと共に。2体目は、ラウンドネックのテーラードジャケット、
3体目は花の刺繍を加えたトップスとボトムにニットパーカーを無造作に羽織ったコーディネイトを提案。
奥﨑さん「3時間の中で、何をするのかというイメージが湧くようなコレクションです。
外でのデートや、おうちでゆっくり過ごすシーンにも寄り添うアイテムです」と発表。
審査員からは「メンズウェアとして展開するなら、服のどこかに男っぽさを取り入れるとグッと色気が出ると思う」とアドバイスが。
プレゼンを終えて「無事に発表できました!おこがましいとは思うのですが、『DAIRIKU』さんを追い越したいという気持ちでのぞみました。
AFCで結果を出すことが目標への最短距離になると思います」と話します。
「DN7」(デザイナー橋立 旋/バンタンデザイン研究所)
「はじめまして。DN7デザイナーの橋立です。ブランドコンセプトは『タフに使い込む』で、インスピレーションは錆です。ストロングな感じを表現したいです」
柿渋、墨汁、染料などで、使い古した風合いを表現。
「デティールはミリタリーで、デザインするときは、自分のリミッターを外し、今の気持ちを引き出すように制作しました。
岡山の生地屋さんから生地を購入していて、AFCのために100m買いました」と話します。
「ブランドとして展開するとして、どんな人に着てほしい?」とWWD村上編集長。
「16歳から40歳くらいの方を想定しています。幅広いんですが」と橋立さん。
株式会社パルコ 執行役 溝口審査員は「もっとストロング感を出して!
表ではなく、あえて裏で着た方が格好いいジャケットもあるよ」とフィードバック。
プレゼンテーションを終えて……「正直、手応えはあまりないですがやるからには結果を残したい。
入学したときから、AFCへの出場を考えていました」と語ります。
「COCOTONO」(デザイナー深澤思乃/バンタンデザイン研究所)
深澤さん「COCOTONOのコンセプトは『Laugh of Little』です。
既に市民権を得ているアイテムや多くの人が見慣れたアイテムに『おかしさ』を加えることで、フフと笑ってもらえるようなメンズウェアを提案します」と発表。
深澤さん「これはチェック柄ですが、工事現場のおじさんが実際に『チェック』しています」
これは千鳥格子……ではなく、千鳥「あし」格子。
そして2828(ニヤニヤ)とプリントされたブルゾン。
エンブレムをよく見ると、キャラクターがジョッキグラスで「乾杯」している……など
デティールに「Laugh of Little」(小さな笑い)が散りばめられています。
一見すると既視感のあるアイテムながら丈感を短くしたり、シルエットに緩さを出すなど工夫することでお茶目な雰囲気に。
WWD村上編集長「こういったネタはいつから考えていたの?」
深澤さん「3カ月くらいです」
審査員からは「柄が平面的になるともったいないね。活かす方法を考えて」と今後への期待を込めたメッセージも。
プレゼン終了後は「リサーチを重ねて納得のいくものが出せたと思います。コンセプトは固まっているので、
今後はアイテムの完成度を高めていきたいです」と意気込みます。
他にも注目ブランドが揃います。
『強く社会に立ち向かう女性の人生を狂わすような衝撃を与える』をブランドコンセプトにウィメンズウェアを展開する
「YUUNA ICHIKAWA」(デザイナー市川結菜/大阪文化服装学院)。
「HARUKA HIRAI」(デザイナー平井春香/大阪文化服装学院)は、
「真面目にフザけるファンタジー」をコンセプトに、風を受けると膨らむ耳型コート「ear coat」など人の顔のパーツから着想を得たコレクション発表。
「SPICE FOR YOUR LIFE」をコンセプトにした、「DOKKA vivid」
(デザイナー菅内のど佳&夏 明豊/大阪文化服装学院)。
SPICEは、鮮やかなチャイナカラーとユニークな柄を指し、目の覚めるようなカラフルなコレクションを発表。
デザイナー菅内さんは「不織布マスクが手に入らなかった2020年、洋服や着物を分解しマスクの制作をスタートしたのがブランド誕生のキッカケです。
阪急うめだ本店にてポップアップも開催しました」と話します。
古着のアップサイクルにも積極的で「Z世代にも手に取りやすい、新しいクリエイションを発信していきたい」とデザイナー夏さん。
激闘の2次審査を勝ち抜いたのは……?
結果は、プレゼンテーション同日の18時に発表されました。
▼2次審査通過ブランドの、Instagramアカウントは次の通り。
YUUNA ICHIKAWA @yuunaichikawa
COCOTONO @cocotononocoto
DOKKA vivid @dokkavivid
Maison Shun Ishizawa @maison_shunishizawa
HARUKA HIRAI @harukahirai_
CUBSCRIB @cubscrib_official
couverture @couverture_officiel
DN7 @dn7meguru
NAHO OKUZAKI. @naho_okuzaki
11月下旬開催予定のプレゼンテーション審査及びコレクション発表に向けて、デザイナーたちは準備に没頭しています。
次回の国内最終審査にて、いよいよ2022年2月開催予定の『ニューヨーク・ファッション・ウィーク』出場ブランドが決定します!
ファッション業界をリードするNEXT BRAND/DESIGNERは……?
まだ見ぬクリエイションには、既に業界からの熱い期待が寄せられています。