在校生が手掛けた「Gradation」が、8月31日までユニクロ銀座店にて展示中!自分の中にあるステレオタイプ/アンステレオタイプに対峙する提案とは?【バンタンデザイン研究所ブログ】
バンタンでは、ユニクロやジーユーを展開する株式会社ファーストリテイリングと共同で生活の固定観念を見つめ直し、新しい商品や生活様式を提案する「UNSTEREOTYPE School」を実施しました。
2021年2ー3月には、バンタン各スクールに在籍する基礎科(1年)生が参加し、特別プログラム「思考のワーク」を開催。
プログラムの様子は、コチラから
2日間にわたるワークショップで、ファーストリテイリング賞を受賞したのが、グループ6の「性別と服・年齢と新たな関係性」をグラデーションのような形式で表現するという提案でした。
なんと!!
晴れて、グループ6のプレゼンテーションがユニクロ 銀座店にて実現することになりました。
生徒は、ユニクロの商品を使用した24のスタイリングを提案しシューティング。アイテムは、メンズ、ウィメンズ、キッズのジャンルを横断して選ばれているのも特徴です。
<今回の取り組みの意義って?>
株式会社ファーストリテイリング・サステナビリティ部の澤田祐宜さんは「UNSTEREOTYPE Schoolは、ダイバーシティー推進を目的とした次世代教育プロジェクトの一貫として行っています。
その中で、固定観念=ステレオタイプを打破する取り組みをバンタンと一緒にできればと、2021年2月から取り組んできました。
今回は『思考のワーク』で得たアイデアをもとにアウトプットを行っています。
生徒の皆さんの提案が、起爆剤となり、お客さまの自由な選択に繋がれば嬉しいです」とコメント。
記者発表会には、グループ6の3名の生徒が同席。
どんな想いで参加したのか、話を聞きました。
―――― 今回の展示の意図は?
バンタンデザイン研究所・館さん(写真左)
「ステレオタイプ(固定概念)を持つ人を否定するのではなく、ステレオタイプもアンステレオタイプも肯定し、双方をグラデーションで繋げていきたいという思いで制作しました。スタイリングは、イメージ画像をたくさん集めるところからスタートしています」
バンタンデザイン研究所・高桑さん(左から二番目)
「ステレオタイプがよく見受けられるのは、性別、人種、体型、年齢、趣味、障害の有無などです」
バンタンデザイン研究所・田中さん(写真右)
「私自身も、中学生のときは制服でしたが『なぜ、スカートなんだろう?』と疑問に思っていました。24コーデをグラデーションで見せることで、一見すると自分と違って見える人も、『根本的には同じなんだな』ということを感じてもらいたいです」と力を込めます。
―――― 皆さんの役割分担は?
高桑さん「ヘアメイク科なので、モデルさんのヘアメイクをし、全体のヘアメイクに統一感が出るようにディレクションしています」
田中さん「撮影日は、時間進行や、生徒のヘアメイクさんへの指示出しなどを行っています」
館さん「スタイリングを考えています。見ていただいた方にどんなスタイルも格好よく感じていただけるのが、私たちのひとつのゴールです」
―――― 取り組む中で、難しかったことは?
高桑さん「全員に理解してもらえる展示にするにはどうしたらいいのか、そこを考えるのはとても難しかったです。
私自身は『なぜ、スーツを着ないといけないのか?』というどちらかというとアンステレオタイプ寄りの感覚だったので、ステレオタイプの人の意見にも耳を傾けました。どんな考え方を持つ人にも受け入れやすいビジュアルを考えました」
館さん「“着せている”感じにならないこと。モデルさんが持つ個性を尊重することは心がけました」
当日は、24コーデ撮影にも参加してくださった現役保育士/モデルさんにお越しいただきました。
スタイリングについて、館さんは「レイヤードにすることと、トップスとボトムの色を合わせ縦のラインを強調することで、メンズも着やすいコーデにしています」と解説。
モデル・齋藤さんは「スカートを履いたことがなかったので、最初に見た時はドキッとしました。履いたら、とても格好よくて『イケるじゃん!』と思いました。
この格好で街を歩いて買い物したいですね。スカートを履いてみたい気持ちはあったので、普段のファッションでも取り入れてみたい」と新しいスタイリングを気に入っている様子。
―――― プロジェクトに参加することで得られたことを教えて。
田中さん「ヘアメイクという仕事をしていく中で、ステレオタイプ/アンステレオタイプ問わずすべての人に対応できるような力がついたと思います。貴重な経験で、得られたものは大きいです」
高桑さん「撮影を通じてアートディレクターやファッションデザイナーなど多職種への理解が大切と感じました。ひとつの作品でも、立場や職種によって、見方や重視するポイントがとても違うと感じました。でも『いいものを作りたい』という根幹は同じです」
館さん「ユニクロの商品を使って作品を作れたことは、大きな自信に繋がりました。またプロジェクトを通して自分の中にあった無意識のステレオタイプに気付くことができました。誰もが自分のしたいファッションを前向きに楽しめる世の中にしていきたい」
高桑さん「同感です。お互いを理解し合いたいですし、悩んでいる人がいたら、そっと背中を押してあげるような展示になれば嬉しい。みんなが自信を持って、好きなアイテムを選んでレジに向かってほしいです」と締めくくりました。
取材には、多くのメディアの方々がお越しくださり、プロジェクトの注目度の高さをうかがうことができました。
展示は、2021年8月27日までユニクロ銀座店で行われています。(※当初より会期が変更となりました)
ぜひ、生徒の考える「Gradation」を見に来てくださいね。
この企画が、誰かの新しい選択肢や服と向き合うキッカケになれば嬉しいです。