「UNIQUE PANDEMIC」をテーマにZINEを制作!メディアヘアメイク基礎科のシューティング現場をレポート【バンタンデザイン研究所】
バンタンデザイン研究所では、ヘアメイクとしての実践的なスキルを養うため、シューティングに力を入れています。
今回は、メディアヘアメイク基礎(1年)科のジーン撮影現場をレポート。卒業修了制作展で発表するため、学生たちが各自テーマを設定し、
ヘアメイク作品を制作。プロのフォトグラファーに撮影してもらいます。監修するのは、メイク担当HIROTAKA講師、ヘア担当Atsushi講師。
メイクルームで、各学生たちの作品をチェック!
<ラプンツェル>
メイク担当・岩崎さん「コロナ禍で外出制限があることが、『ラプンツェル』の置かれている状況と似ていると思い、テーマにすることにしました。
メイクのポイントは細めの眉と色使い。プリンセスらしいピンクを使っています」
ヘア担当は村岡さん。太めのフィッシュボーンを編み込み、造花をあしらいます。また、モデルさんの腕にワセリンをつけて、花びらをつけていきます。
準備が整ったらスタジオへ移動。バック紙に、モデルさんを立たせたら、造花を全面に付けたマスクを着用させて撮影スタートです。
真正面で、すましたポーズで撮影。すると、モニターを見たHIROTAKA講師は「せっかくのメイクが片方しか見えないよ!
顔をどちらかに振らないとヘアも見えない」と、指摘。
すかさず、「モデルさん、左肩が正面を向くようにポーズしてください」と指示を出す岩崎さん。
Atsushi講師も「耳にかかっているマスクのゴムを、ヘアで隠してね。一気に現実感が出ちゃうから」とアドバイス。
方向性を固めて、無事撮影を終えました。
村岡さん「シューティングは今回で3回目。撮影時間は短いなぁと思いましたが、時間厳守が大事。次回は、もっとテキパキと進めたいです」
ヘア担当・村岡さん「楽しいです。自分のイメージしたものが形になっていく過程が面白い」
メイクルームに戻ると、目黒さんと吉田さんが動物をモチーフにしたヘッドピースを制作していました。
目黒さん「モデルさんは4人お願いしています。体数が多いほうが、写真になった時にインパクトがあると思いました。メイクは色数を抑えたナチュラルメイクで、
ボリュームあるヘアを強調します。チーム制作の難しいところは、お互いのイメージするものや考え方が違うところ。
異なる意見を合わせることが難しいです」と話します。
<ROCK>
中野さんが手掛けたのは、ハーレイ・クインをイメージした作品。右のアイメイクは赤、左アイメイクは青を使い、ラインもオーバーに引いています。
マスクにもヘアにも大量の安全ピンを刺したのがポイント。
中野さん「バットはありますか?」とスタジオの備品を探し、自分のイメージに近づけていきます。ポージングも、バットを持ったり、
自分の頭に銃を突き付けたりと挑発的な雰囲気に。
モデルさんの動きを見守る中野さんに、「モデルさんのチェックをしながら、モニターを見てね!」とHIROTAKA講師。
Atsushi講師「いいショットがあったら『いい』って声に出して伝えてあげて」とフィードバック。
アドバイスを受けた中野さんは、モニターとモデルさんを交互に見るように。また、いいショットが撮れたら「可愛い」と声を出します。
撮影を終えて「イメージ通りに仕上がって良かったです!ROCKというテーマに落ち着くまで、3回くらいテーマを変えたので準備時間は少なかったけれど、
満足です」と笑顔を見せました。
<PRESENT>
江村さん、杉山さん、西川さんが作ったのは細長いコルネのようなヘアが特徴の作品。ポンポンの花で作った衣装が、非現実的な雰囲気を醸し出します。
杉山さん「私たちのチームは2作品、作りました。コロナ禍で失ったものと、もらったものがあるという気付きから考えています。
既に撮影した『冒険』は、マスクをしていても楽しく生活ができる、というポジティブな作品です。『PRESENT』は、コロナ禍で
『人に会いたい、協力したい』という優しい気持ちを得たので、その抽象的な想いを表現しています」
ヘアを際立たせるため、透明な「てぐす糸」を使って引っ張り立たせようとするものの……
Atsushi講師「ダメだ~!てぐす糸で引っ張ると、形が崩れちゃう。誰かが後ろから押さえて撮るしかない」と伝えます。
糸ではなく、モデルさんの後ろに学生が立ち、手でヘアを押さえて前面に出す作戦に!
杉山さん「目に力を入れない感じでお願いします」と、モデルさんに伝えます。
ふんわりとしたライティングで、透明感のある作品に。
「これ、いいね!」とHIROTAKA講師も評価。好調に撮影が進み、イメージを形にすることができました。
江村さん「無事に完成して安心しています。3人いると、意見も違うので大変ですが良い作品ができたと思います」
西川さん「グループ撮影は今回が初めて。意見がまとまらず大変でしたが、いろいろなアイデアが出し合えるのがチーム制作のいいところだと思いました」
杉山さん「技術的に足りないと感じることもありましたが、満足のいく作品になりました」と胸を張ります。
<コロナがしんどい今の世界>
「ZOOM」「東京アラート」「ロックダウン」などの言葉を転写した不織布マスクとナチュラルメイクが目を引くのは、黒岩さん&光安さんの作品。
ヘア担当・黒岩さんは「髪はボサボサな感じがいいね、と話し合ってドレッドヘアにしました。ドレッドは、作るのが意外と難しくて時間がかかりました。
針金を入れて、ヘアに動きを出しています」
光安さん「モデルさんの鎖骨にも、コロナ禍を象徴する写真や言葉を転写しています。
トイレットペーパーが品切れになったことや、つける機会が少なくなったリップの画像も使いました」
また、シューティング風景もスマホで撮影。「リールにしたい」と撮影過程も作品の一部としてとらえていました。
他にも、「コロナ禍で時代は暗くなってしまったけれど、コロナを乗り越えて自分の色を付けて楽しくしていこう」というメッセージを込めた
「Hope for 2021」などもシューティングにのぞみました。
3度目とは思えないクオリティの高い作品もあり、コロナ禍で感じた気持ちや想いをヘアメイクへと昇華させることができたようです。
ZINEの仕上がりが、今から楽しみです!