ファッション科の学生たちが、真剣な表情で待機。
これから、ラフォーレ原宿でのポップアップストア出展をかけた、講師陣へのプレゼンテーションが始まります。
学生たちによる総勢34ブランドが参加しますが、出展できるのは約10のみと非常に狭き門。注目ブランドをレポートしていきます。
<paporin(パポリン)>
「paporinは17歳から19歳向けのブランドで、闇を抱えた女の子に向けてデザインしています。21SSのテーマは『パーフェクト???』で、
オリジナルイラストをシルクスクリーンでプリントしたトップスや、ヒョウ柄デニムなどひとくせあるボトムを展開しています」と、デザイナー佐藤さん。
想いも人一倍強く「原宿が、めちゃくちゃ好きです。ウチのクラスには、原宿色の強い人はいないので負けたくありません」と話します。
<mix jelly(ミックスジェリー)>
「ブランド名はmix jellyです。21SSテーマはうっとりという意味の『enchanted』にしました。私の理想とする女の子がいて、
その子の物語を服で表現しています」と、デザイナー金子さん。
ラックには「おうち時間」で着たくなる、ふんわりした素材&ペールトーンの洋服。
お部屋にインテリアとして飾っておきたくなるような可愛らしいデザイン性を追求しています。
「今回のプロジェクトのためではなく、高校3年生のときからブランドを手掛けています。高校生のときからバンタンデザイン研究所に入学すると決めていました。
仕入れは、ブランドオフなどでアイテムを買い付け、フリルやチュールでアレンジしています」と明かします。
芸能事務所にも所属しているという彼女は「憧れは瀬戸あゆみさん。
ラフォーレ出展を機にクリエイターとして実績を作っていきたいです」と強いビジョンを垣間見せました。
〈Peichi〉
「金属アレルギーの方、皮膚の弱い方など、誰もが使え、長く使えるピアスを提供します。金属アレルギーの人とジュエリーの架け橋になれるようなブランドです」
と話すのはPeichiデザイナー桜庭さん。樹脂ブランドにはない、奇抜なパーツを使った個性的なピアスを揃えました。
<INDIV>
シンプルながらも主張しすぎない遊び心をコンセプトにした「INDIV」は、伸縮性のあるハイテンション生地を使ったトップスを提案。
「unlucky」は、頑張りすぎて疲れた人を前向きにさせるような服。21SSテーマを「無垢」とし、オフホワイトのワンピースやシャツを揃えました。
審査員も「リメイクって言われないとリメイクだと分からないクオリティー」と高く評価しました。
「CAN BE ANYTHING」は、10代から40代に向けてレッグウォーマーをファッションの一部として提案。
オリジナルだけでなく、バイイングで勝負をかけるブランドも。
宮原さんは、ファッションの流行が20年周期で再来することに注目し、90sの雰囲気があるアイテムをバイイング。
フレアパンツやアーガイル柄などのセレクトショップを展開しました。
<DEN(デン)>
デザイナー松本さんが手掛けるDENのコンセプトは“inspired by everything around us”。
2011SSは、1960年代の建築物にインスパイアされたコレクションを発表。テーマは「Nostalgia」です。「GAMAGUCHI CHAIN BAG」(13000円・税別)、
「GAMAGUCHI POCHETTE」(10000円・税別)などミニマルでありながらも上品な革製品をラインナップ。
審査員「原価は?」
松本さん「すべて25%前後です」
審査員「量産はできますか」
松本さん「できます」と、ブランドの運営体制が整っていることを伝えます。
<Viola(ヴィオラ)>
Violaはラテン語でパンジーという意味。こだわりは、デザイナー吉島さん自身が「可愛い」と思えること。
ビジューやキラキラしたパーツを使ったガーリィなアクセサリーを展開します。
吉田さん「価格は2000円から2500円です。また、イメージに合うアイドルの方にお声掛けし、着用画像をSNSにもアップしていただいています。
AKB48の田北香世子さん着用いただきました」とアピール。
審査講師「どうやって、着用してもらったんですか?」
吉田さん「こちらからご連絡を差し上げて、アイテムをお贈りしました。大谷映美里さんも紹介してくださったのかなと思います」と、
知名度が高まっていることをアピール。
<COZY(コーズィ)>
小川さん「ブランドコンセプトは『NO BORDER』で、外出着と家着の境界線をなくすことを意味します」
釜谷さん「COZYのターゲットは、ステイホームをキッカケに上質なものを買うようになった20代30代の男女です。
パジャマのように着られるラフなアロハシャツを提案します。
『サザンクロス』という着心地のいい素材を使っていて、アフターコロナではリゾート地にも着ていけるようなデザイン性の高いアイテムです」
また、コロナ禍で仕事が減ってしまった縫製職人さんに仕事を依頼するなど、社会性の高い取り組みも。
<UN(アン)>
マスクオンリーブランド「UN」は、デザイナー菊地さん&豊野さんによるブランド。マスクのみの展開で、全品一律4620円で販売しています。
菊地さん「BASEで昨年10月から販売し、3か月で32枚、9万円の売り上げがありました。
ただ、オンラインのみの販売では実物を見ていただく機会がないので、その点は欠点だと感じています」
豊野さん「私たちのマスクで新しいファッションの在り方を提案したいです」と意気込みます。
<Lizo TOKYO(リゾ トーキョー)>
2019年にラフォーレ原宿への出展を果たしているLizo TOKYOは、出展そのものを目指すというよりも、今後どのようにブランドを成長させていくのか、
というフェーズのよう。
若林さん「Lizo TOKYOでは、アップサイクルの観点から、人の手に渡ることが少ないアイテムにタイダイ染めで付加価値をつけて販売しています。
渋谷パルコで行われたポップアップストアでは、全ブランドの中で売り上げ2位を記録しています」
2021SSのテーマは『CROSS A BORDER』。学生運動からインスパイアされたコレクションには、現実と理想、子どもと大人の境界線など
複数のニュアンスを込めています。毎回完売する人気アイテム・ソックスに加えて、今季はサーマル、パンツ、トートなどさまざまなアイテムにタイダイ染めを展開。
若林さん「サーマルは柔らかな素材で、レザージャケットと合わせても可愛いです。
ソックスは真空パックに詰めていて、買ってすぐに履きたくなるような仕様にしています」
プロのモデルさんに着用してもらい、リアルなスタイリングまでイメージできるように、“プレゼンテーション手法”そのものにも工夫を凝らしました。
5Fにも、ユニセックスブランド「edit」、「SAUCE WORLD」が出展し、さながらマルシェのように活気溢れる雰囲気でした。
果たして、「ラフォーレ原宿」への出展権を獲得するのはどのブランドに……?
NEXT BRANDの動向に注目です。