ヘアメイク学部の、新入生向けの導入授業がオンライン開催で行われました!
お招きしたのは、業界で活躍している現役プロフェッショナル講師。タカハシチエコ講師、田中いづみ講師、生井澤勉講師、時友誠二講師の4名です。
<ヘアメイク業界について>
メイクアップアーティストになりたい!と思った時に考えられるパターンは3つ。
- ①フリーランス/ヘアメイク事務所に所属。
- ②ヘアサロン、トータルビューティサロンに所属。
- ③化粧品会社に就職する。
田中いづみ講師「私は事務所に5年所属して現在はフリーランス。独立して12年になります。」
バンタンスタッフ「事務所時代、お金の管理はどうなっていましたか?」
田中講師「マネージャーがいてスケジュール管理、ギャラ交渉から、請求書発行までを担当してくれました。
あとは、事務所によってはレッスンがあったり、自分が先輩になる後輩に技術を指導したりすることもありますね。」
バンタンスタッフ「事務所所属とフリーでは、ギャランティの取り分なども違いますか?」
田中講師「学生から『フリーと事務所、どちらがいいですか?』っていう質問をよく受けるのですが、
自分が何を目指しているかによると思います。オウンリスクなので一長一短ですね。」
<業界構造②一般顧客サービス業>
業界の中でも一般のお客様を相手にするビジネスは「一般顧客サービス業」と呼ばれます。
その中でも、
①大手化粧品会社(化粧品販売、マーケティング、商品開発、教育)
②サロン(ヘアサロン、ヘアメイクサロン、ネイルサロン)
③トータルビューティ(ブライダルメイク、エステサロン、美容ライター)
と分けられます。
時友講師「M・A・Cメイクアップアーティストとして働いています。
9時間拘束、7.5時間勤務で固定給です。ボーナスもありますね。最新の商品に触れられて、会社によっては製品が支給されるのも魅力です。
お客様の顔に直接触れることができますし、お悩みがある方に対してはアドバイスをできることもやり甲斐を感じます。」
生井澤講師「私自身も7年間東京のヘアサロンで仕事をしていました。サロンに所属すると給料面の保証は大きいかなと思います。
必要とされる技術も、目指す方向性によって異なりますよね。」
タカハシ講師「ウエディング業界のヘアメイクで言えば、大手ホテル内に入っているブライダルビューティサロンは基本会社員。
通常は、土日祝日が挙式本番です。
私の場合はフリーランスのヘアメイクなので、挙式当日とリハーサルの2日間拘束で一回いくら、という設定です。
厳しく聞こえるかもしれませんが、ウエディングは一生に一度のお仕事なので失敗はできません。」
<質問!どうしてヘアメイク業界に入ろうと思ったんですか?>
タカハシ講師「キッカケはマイケル・ジャクソンのPVを観て感激したから。
今みたいにネットが充実していない時代でしたが、ヘアサロンで偶然読んだ雑誌にメイクスクールの広告が出ていたんです。
それがキッカケでスクールに入学したんですよ。」
田中講師「私は、高校3年生の時に決めました。これ以上勉強はしたくない、でも面白いことがしたい!という気持ちでした。
母が美容部員で、父が美容院の息子だったこともあり、美容が好きになる環境ではあったと思います。
以前は、人気俳優さんに会えたら辞める!とか言っていましたが今は全然違いますね。
人気俳優さんに会っても、メイクに没頭しているから、顔をキャンバスとして見るのに近い感覚。いきなり高い志から入った訳ではないんですよ。」
生井澤講師「僕も美容師からのスタートで、スーツ着て満員電車乗りたくないなとかそういう動機から入りました(笑)。
芸能人やモデルさんに会いたいというミーハーな想いもありましたよ。
かつてはメイクもやっていたんですが、ずっと違和感があって。ワーキングホリデーでフランスに行き、26歳でパリコレクションを見れて。
その時に現地のヘアスタイリストさんに弟子入りしたんです。
コレクションではメイクとヘアを別々の人が担当するので『ヘアだけの道もあるんだ!』とパーッと道が開けたんです。」
時友講師「僕は大学に行った後、22歳でバンタンに入りました。
ここ面白そうだなって思ったのがM・A・C。髪型も自由だし、私服で店頭に立てるブランド。
実力が認められれば、コレクションに行くこともできます。とても有意義な仕事だなと今も感じています。」
<お仕事の喜びは……?>
時友講師「B.Aさんはスキルが高くないというイメージを抱いている人もいますが、1日で10~20人にメイクできる。
僕は10年いるので、5~6万人にタッチアップしたことになります。技術的にはすごく高くなりますね。あとは同期もいるので仲間意識も生まれます。」
田中講師「好きなことを仕事にしているので、やり甲斐がありますね。CMなどのお仕事が形になった時も凄く嬉しいです。」
タカハシ講師「そうそう、好きじゃなきゃ続かないですね。私もその現場、その現場の環境が好きです。
特に映画はスタッフも100人単位になるので、一体感はものすごくありますね。」
生井澤講師「分かります!僕らも、コレクションが始まる前にデザイナーと打ち合わせをします。
限られた時間の中で、各自の持ち場のベストを尽くすんです。ウィッグを8人で100体作ったこともあり、最後は徹夜でしたね。
見た目の美しさを上げられ、華やかに『ショーアップ』できた時は達成感があります。」
<学生のうちに、やっておくべきことは?>
タカハシ講師「選ばず、なんでもチャレンジしてみて。学生時代は色々なものを仕入れる時期だと思います。
ポケットはいっぱいあったほうがいいです。食わず嫌いをしないこと。あとは、年代別のメイクアップを知る為にも映画を観ることだと思います。」
田中講師「海外のPVでもいいですよ!可愛いメイクが多いからチェックしてみて。」
生井澤講師「本物を知ってほしいなと感じます。美術館に行くとか、自分の足で行動してみて。
本物には心揺さぶれる何かがあるはず。若いうちの感性というのは、何ものにも代えがたいです。」
時友講師「目標を持つことだと思います。実際、目標を持っている子の方が長く続いていますね。」
田中講師「あとはプレゼンの授業。『メイクと関係ない』って適当にする人がいるけれど、現場でめちゃくちゃ問われます。
広告では打ち合わせに参加する機会があるのでプレゼンテーション力は必須です。練習できるのが授業なので、疎かにせずしっかり取り組んで。」
<業界には、どんな人が求められていますか?>
タカハシ講師「どの業種でもそうですが『おはようございます!』って元気に言える人。
アシスタントなら、怒られても『すみませんでした!』って快活に謝れる人。あとは、その場の空気を感じられる人。」
時友講師「周りを見て、細かなことに気が付ける人ですね。」
タカハシ講師「ビジュアル系、韓流、アイドルなど、好きなジャンルにプラスアルファで自分の味付けができると良いですね。
誰かの二番煎じではなく、自分なりのスタイルを築いていって。技術を磨いて、新しいものを生み出していってください。」
授業が始まる前の豪華対談!ヘアメイク業界についての理解が深められたのではないでしょうか。
「まだまだ聞きたいことがある!」という学生は、ぜひ通学が再開してから講師たちとコミュニケーションを取ってくださいね!