22.07.08 23.04.19 更新

マーチャンダイザー(MD)になるにはどうする?仕事の基礎知識や必要なスキルも紹介

職業紹介

マーチャンダイザーはアパレル業界だけにある仕事で、マーケティングのプロフェッショナルです。

マーチャンダイザーは市場のニーズを調査・分析し、商品開発に生かし、販売戦略まで計画します。

企業の売上はマーチャンダイザーの手腕に掛かっていると言えるほど、その仕事の価値は大きいものです。

今回はマーチャンダイザーという仕事についてどんな仕事なのか、キャリアや将来性についても解説します。

アパレル業界のマーチャンダイザー(MD)とは?

マーチャンダイザー(MD)とは何か、バイヤーとは何が違うのでしょうか。

マーチャンダイザーは商品の開発、販売計画と予算の管理など、洋服の開発から販売までの流れを担当する仕事です。

マーチャンダイジングは商品化計画という意味で色々な業界で行われますが、

マーチャンダイザーはアパレル業界でのみ使われる名称です。アパレル業界では販売戦略において欠かせない役割を果たしています。

バイヤーとの違い

マーチャンダイザーとバイヤーの違いはどこにあるのか、比較してみましょう。

マーチャンダイザーは商品の買い付けと販売戦略の双方に関わりますが、

バイヤーの仕事は買い付けの方に重きを置いています。

そのため、マーチャンダイザーに比べると販売戦略への関りは少なくなります。

一方、マーチャンダイザーは買い付け、商品開発、販売戦略、計画の管理も行っており、販売までの一連の動きを管理する特徴があります。

マーチャンダイザー(MD)の基礎知識

マーチャンダイザーの仕事について、大事な基本知識を解説します。

ポイント①適切な商品の販売

マーチャンダイザーの仕事は商品を開発し、顧客に販売することです。

販売するには顧客に求められるものでなければ、売上に貢献できません。

マーチャンダイザーはブランドイメージに適した商品の開発、販売を続ける必要があります。

企業の売上はマーチャンダイザーの販売戦略で左右されるため、非常に重要なポジションと言えます。

ポイント②適切な価格の提示

商品を売るためには魅力のある商品も必要ですが、価格設定も大事なポイントです。

マーチャンダイザーはターゲットとする顧客にとって高すぎず安すぎず、

手に取りやすい価格を設定するのも仕事になります。

開発から販売戦略まで関わるマーチャンダイザーだからこそ、企業の売上と顧客の満足度のバランスを意識する必要があるのです。

ポイント③適切な数量での販売

商品の価格だけでなく、流通する商品の数量も適切にすることが必要です。

アパレル業界では大量に商品を仕入れても、季節感やトレンドの移り変わり、

価格、販売戦略によっては在庫を抱えるリスクがあります。

マーチャンダイザーは販売戦略を立てるうえで、

そうした諸々の条件まで計算にいれて適切な数量を販売・流通させるのも仕事です。

在庫が多ければ損になり、少なければ顧客の不満や販売機会損失へと繋がるため、

マーチャンダイザーは利益を最大化できるように販売することを求められます。

ときには、売れ残った商品の価格を下げてセールを行い、

お得感を演出するような戦略も必要になる場合もあるでしょう。

ポイント④時勢に合わせた商品を販売

商品を売り出すタイミングは、マーチャンダイザーの販売戦略に組み込まれる大事な要素です。

冬物を春に売り出しても売れないように、アパレル業界には季節感やトレンド、

顧客のニーズなどの時勢を意識した商品販売戦略が必要です。

マーチャンダイザーはトレンドへのアンテナを張り、

適切な時期に顧客から求められる良い商品を販売することも仕事になります。

ポイント⑤適した場所で商品を販売

マーチャンダイザーは商品販売に適した場所で、求められる商品を置いて売り上げに貢献することも必要です。

商品は地域性、販売店、立地条件なども考えて、その場所に適した商品を考慮します。

マーチャンダイザーは全国各地の異なる売場のデータから、各販売店に適した商品を配置すること、

商品を最適な場所に必要な数量だけ販売する戦略を立案しなければなりません。

マーチャンダイザー(MD)の仕事内容とは?

マーチャンダイザーの仕事は市場・トレンドの情報収集と分析、商品の企画、価格の設定、

そして生産までの一連の工程すべてです。現場ではどのような業務を行っているのか紹介します。

情報収集

商品を開発するには、市場調査とトレンドの把握、自社・他社のブランドで何が売れているのか、

どのくらい売れているかなど細かい情報収集から始めます。

販売戦略は適当に打ってよいものではなく、得られた情報からマーケティングをしなければなりません。

マーチャンダイザーの仕事の基礎にもなるため、情報収集は必ず行います。

分析

収集した情報を基に、自社ブランドの販売戦略を計画するため分析を行うことになります。

分析にはマーケティングの知識が必須になり、トレンドや自社ブランドの売れ行きから、次の企画を進めていきます。

企画

分析した結果から商品の企画を打ち合わせします。企画はマーチャンダイザーだけでなく、

洋服のデザインを考えるデザイナーとも相談し、どのような商品を開発するか決定していきます。

季節感やトレンドなども含めて、カラーリングや価格、広告媒体まで販売戦略を決定する段階です。

生産管理

マーチャンダイザーは商品を生産する数量も計画し、各地の店頭で販売準備を行います。

生産すれば仕事が終わるわけではなく、販売開始からの売上もチェックし、適宜計画の修正や追加生産も指示します。

また、実際に商品が販売されている店頭を訪れ、商品の売れ行きと顧客の動向チェックも欠かせません。

マーチャンダイザーの仕事は市場調査から販売後まで、すべてを計画・管理する重要な仕事です。

マーチャンダイザー(MD)のやりがいとは?

マーチャンダイザーのやりがいはどこにあるのかみていきましょう

・トレンドを誰よりも早く知ることができる

・商品の評価を色々な媒体で見られる

・計画通りに商品が売れると嬉しい

マーチャンダイザーは市場調査とマーケティングから開始するため、いち早く市場の動向を把握できます。

市場の動向は最新のトレンドを反映していることから、

マーチャンダイザーは他の人が知らないトレンドを知ることができます。

トレンドから分析して開発した商品が、テレビや雑誌などで取り上げられることも珍しくありません。

商品が各種媒体から評価されると、自分の手掛けた商品の評価がわかるため、

その結果がどうであれモチベーションになります。

そして、マーチャンダイザーは売れ筋商品を作ることも仕事ですから、

人気商品なら売上の数字として結果が出ます。計画通りに商品が売れれば、

自分のマーケティングに間違いがなかったとわかり、大きなやりがいにもなるでしょう。

マーチャンダイザー(MD)の年収とキャリアパス

 

マーチャンダイザーの年収とキャリアパスも紹介します。

マーチャンダイザーの年収はアパレル業界では比較的高いとされていますが、

配属される部署によって年収にも差が出やすい傾向があります。

種類

年収の相場・目安

企画・管理系

450520万円程度

販売・サービス系

300350万円程度

 

部署によって大きな差はありますが、全体の平均年収で見るとマーチャンダイザーは450万円程度と言われています

マーチャンダイザーは役職にもなり得るため、

その後のキャリア次第では更なる収入アップも期待できる安定的な仕事と言えるでしょう。

ただし、新卒してすぐにマーチャンダイザーになることはほとんどありません。

まずは営業職から始まり、生産管理や販売管理を経てから、MDアシスタントになれます。

そこからアシスタントとして経験を積むことで、ようやくマーチャンダイザーとして働けるようになるのです。

そのため、まず目指すべきはMDアシスタントになることです。

MDアシスタントになれば、未経験でも転職先が見つけやすくなるので多くの面で有利に働けます。

マーチャンダイザー(MD)の将来性は?今後どうなる?

マーチャンダイザーはアパレル業界で重要なポジションです。

企業においては市場調査から商品の開発、販売戦略まで一手に担当するため、貴重な人材となるでしょう。

マーチャンダイザーは誰でも就ける職業ではなく、マーケティングのプロであり、

優秀な人なら他の企業からヘッドハンティングされる可能性もあります。

マーケティングの重要性は現代の経済社会において誰もが知るところですから、

マーチャンダイザーの重要度は今後も高まっていくことが予測できます。

場合によっては海外企業への転職もあり得ますから、今後も必要とされる職業であることは間違いありません。

また、昨今のコロナ禍により、オンライン販売をはじめとしたインターネット戦略の重要性が高まっています。

販売員の需要が少なくなっている一方、企画立案ができる優秀なマーチャンダイザーはより多くの企業が求める人材となるでしょう。

マーチャンダイザー(MD)になるには?実現までの流れを解説

マーチャンダイザーになるまでの流れを見ていきましょう。

マーチャンダイザーになるには、次のステップを踏んでいくのが一般的です。

大学・短大・専門学校で、ファッションの基礎や企画を学ぶ

アパレルメーカー・百貨店・流通企業に就職

MDアシスタントからマーチャンダイザーへ

大きな流れは上記の通りです。

マーチャンダイザーはファッションのマーケティング知識が必要ですから、

大学や専門学校では経営学部や商学部、ファッションのビジネスや企画を学べる学校を選ぶとよいでしょう

次にアパレルメーカーや流通企業市場について学び、営業や販売管理の経験を積みます。

何年もの修行期間が必要ですが、MDアシスタントになり、そして最終的にマーチャンダイザーになるのです。

なかには、在学中から経験を積むことで、

販売職を経験せずにマーチャンダイザーを目指すことができる場合もあるようです。

マーチャンダイザー(MD)に求められるスキル・資格

マーチャンダイザーになるために必要な資格はありません。マーチャンダイザーに求められるスキルについて見ていきましょう。

マーケティングの知識と経験

英語を話す能力

マーチャンダイザーは企業に属する働き方が一般的ですから、ビジネスマナーや外国企業とやりとりできる能力があると重宝されます。

もちろん、ビジネスマナーや語学力だけでなく、マーケティングの知識と経験がなければなりません。

また、マーチャンダイザーとして活躍するなら、オリジナリティの高い企画書を作るスキルやセンスを磨くのもおすすめです。

アパレル業界で活躍するマーチャンダイザー(MD)を目指すなら専門学校がおすすめ

マーケティングの知識ビジネスマナー大学でも学ぶことはできますが、学問的な内容になりがちで実務に則した経験を積むのは難しいのが現状です。

その点、専門学校なら必要なスキルを一通り学び、卒業後すぐに実務で活躍する力を身に付けることができます。

また、専門学校でしか学べないプロからの実践的なテクニックや、有名講師を招いての講義も受けられる点が魅力です。

マーチャンダイザーはアパレル業界で重要な仕事

市場調査から商品開発、販売まで担当するマーチャンダイザーはアパレル業界でも重要な仕事であり、企業にとってはなくてはならない人材です。

マーケティングを熟知しているため、人によってはアパレル業界に留まらず、更なる飛躍を見せる人も中には存在します。

将来性もあるマーチャンダイザーという仕事に、興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

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