【特別授業】スタイリスト・TEPPEI講師が指導、撮影は山口侑紀氏!スタイリスト科による「スタイリング&シューティング」授業に密着。

バンタンデザイン研究所スタイリスト科卒業生のTEPPEI講師。

2000年代初頭のスナップブームの中心人物で、その個性的なスタイルは国内外で熱狂的な支持を集める。
その後、スタイリストとしての活動を開始。
「服をスタイリングする」という既存の枠にとどまらず、
近年では「anrealage homme(アンリアレイジ オム)」にて商品企画から携わり、
デザイナー・森永邦彦氏と意見交換を重ねながら服を作り上げています。
今回は、フォトグラファー・山口侑紀氏(W inc.所属)を迎えた「撮影実習」授業に密着。

TEPPEI講師、山口氏という業界をリードするプロフェッショナルと、在校生(以下メンバーと表記)が、
どのようなコミュニケーションを取って、撮影を進めていくのかをレポートします!

【恒本萌乃夏さん】

デザイナー山本耀司氏によるブランド
「Yohji Yamamoto」×「GAL」のバイブスをミックスした恒本さんの作品。
オールブラックのスタイリングに、90’sに流行した「ヤマンバメイク」をミックス。


「まずはランダムに撮ってみようか?」と声をかけ、シャッターを切るフォトグラファー山口氏。

撮影時間は、メンバー1人あたり約30分と、しっかりと時間を確保しています。
数枚撮ってから……
「モデルさんがただ立っているだけだと、彼女の良さが伝わらないね」と言って、手を止めます。
恒本さんは、モデルさんの袖をロールアップし、手首を出してみます。


TEPPEI講師
「フォトグラファーが撮影している真後ろに立ってみて。
フィルムで撮る人もいるけれど、デジタルなら作品そのものとPCを交互にチェックして。
モニター自体が発光しているから、モニターばかりに気をとられないこと。
大切なのは『自分が何を考えていて、どういう雰囲気で撮影してほしいのか』
をフォトグラファーに伝えること!
スタイリストアシスタントはこの場所には立てないけれど、
今日はココにいていいし、どのように撮影してほしいのかを伝えて。
ブラッシュアップしたからこそ、出てくることってあります」とアドバイス。

フォトグラファー山口氏
「ここから超えていかないと、同じ写真を撮ることになります」
とストレートに意見を伝えます。

TEPPEI講師
「ジャケットのロールアップをやめてみたら?」と提案し、恒本さんがスピーディに動きます。

数枚、撮影してみて……
TEPPEI講師
「言いたいことを絞って。『Yohji Yamamotoの重み』×『GALの強さ』をミックスしたいけれど、
写真を見るとYohji Yamamotoの美学が入っていない印象。
横を向いても、前を向いても、伝えたいことがマックスになっていないです」

うなずきながら、講師のアドバイスをかみくだいて理解しようとする恒本さん。
こうした真剣なコミュニケーションを取りながら、
作品のメッセージが最大値で伝わるようにブラッシュアップしていきます。


また、スタジオのアシスタントとして働くのは、バンタンデザイン研究所フォトグラフィ専攻のメンバーたち。


山口氏の指示通りにキビキビと動き、スタイリスト科の作品制作を支えます。
【濱中優芽さん】

1年次の集大成「修了展」で行うファッションショーの作品をシューティングしたい、と話す濱中さん。

「ファッションショー全体のテーマは『国』です。
私は、日本の明治時代を選びました。
和装がベースでありながらも、洋装を取り入れた和洋折衷のファッションを表現したいです」とコメント。
スタイリングは、タイトなシルエットの着物に、つばが広く、
ボリュームのある帽子を合わせて「縦×横」のラインを対比させたこと。
また素材の質感もミックスすることで違和感を演出。
「足元は、Vivienne Westwoodの厚底を選び、インパクトを出しました」。
【吉田芽央さん】
「『VOGUE JAPAN』に掲載されることを想定した作品で、テーマは『ルッキズム』です。
制作するにあたって、バックナンバーを読み込み研究する“リサーチ”を行いました。
スタイリングよりも、リサーチに最も多くの時間を費やしました。
ユニークでありつつ、社会風刺的な作品が多いのが印象的でした」

スタイリングのこだわりは、カラフルでデコラティブさを大切にしつつ「自由さを表現すること」。
しかし、最初からこのようなスタイリングに着地できたわけではないと振り返ります。
「最初に組んだときは、オールブラックで、レザーなどのアイテムを選んでいました。
全体的にモノトーンだったのですが、TEPPEI講師にチェックをいただいたときに、
『見たときに楽しいと感じることを意識してみては?』と言われて、ハッとしました。
私が見えていない視点を得られた気がしますし、TEPPEI講師の考えをできる限り吸収したいです!」
と意気込みます。

在学中から、業界をリードするトップクリエイターから直接アドバイスをいただける貴重な撮影実習。
憧れの業界でのキャリアを叶えるために、
自分の作品をブラッシュアップできることは大きなアドバンテージです!

【PROFILE】
TEPPEI講師
1983年生まれ、滋賀県出身。スタイリスト。2000年代「ストリートスナップ」カルチャーを牽引し、その後スタイリストとして本格的な活動を開始。独自のファッション哲学と思考でアーティストやブランドから大きな支持を得ている。現在はスタイリングの他に、アーティストイメージやヴィジュアルディレクションも手掛けている。
instagram:@stylist_teppei
